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去年くらい
俺が大学に通うためにルームシェアをはじめた頃の話
そのころ、俺はバイトにかかりっきりで完全に昼夜逆転の生活をしてた
夜の三時に寝て昼の十二時に起きる感じ
同じ部屋でいた三つ年上の先輩は帰ってこない日の方が多かったから、
実質一人暮らしみたいなもんだった
んで、その日も日付が変わってから風呂に入って、ベッドに横になった
たぶん三時か四時くらいだったと思う
すげえ寝苦しくて目が覚めた
231 228 sage 2012/03/26(月) 08:12:32.04 ID:qjBOjGjG0
体が全く動かせなかった
金縛りって言っていいのかわからないけど、布団が凄く重かった
寝返りをうとうとしても体が固定されてて動かせない感じ
しばらくボーッと天井を見ていた
窓の外は真っ暗だったから、なんとなくまだ夜なんだろうなあと思った
疲れていたので二度寝しようとしたんだけど、布団が重くて苦しいから眠れない
どかそうにも疲れてて動けない、みたいなめんどくさい状況だった
しばらくもぞもぞしながら、
とりあえず携帯を見ようと思って無理に首を曲げてベッドの脇を見た
白い宇宙人が立っていた
232 228 sage 2012/03/26(月) 08:16:07.85 ID:qjBOjGjG0
ベッドの脇には開閉式のクローゼットがあって、バイトの制服をかけてある
いちいち閉めるのがめんどうなのでいっつも開けっ放しだった
そのクローゼットの中に宇宙人がいた
白い輪郭に目鼻を付けて、体は棒人間みたいな宇宙人がこっちをじーっと見ていた
さすがに心臓が止まるほどびっくりした
怖かったというより意味不明すぎて「は? は?」みたいになっていた感じだったと思う
しばらくじーっとにらみ合った後、なぜか俺はそれが「子供の幽霊」だと思った
今思い出してみると明らかに人間の体型じゃないんだけど
本当になぜかその時は、呪怨のトシオ君みたいなのをずっとイメージしてた
ヤバイヤバイヤバイと重いながら、体を必死で動かそうとしていた
233 228 sage 2012/03/26(月) 08:22:52.75 ID:qjBOjGjG0
全身に力を入れると、どうにか上半身は布団から抜け出せた
布団から抜け出るとけっこう体は普通に動いた
そのままベッドの脇を掴んで、必死に下半身も引きずり出した
でも足が動かなかったので、えびぞったりまるまったり気持ち悪い動きを繰り返した
最後の方は「靴下を履いたまま布団に入ったからだ」と思い込んで必死に靴下を脱いだ
たぶん相当パニクってたんだと思う
こんな動きをしている間にも、宇宙人はじっとこちらを見ていた
俺もパニクりながらもしっかり目は離さなかった
「視線を逸らしたらやられる!」みたいな緊張感
ゴキブリと対峙している気分だった
布団から出た後は、ベッドの反対側から降りた
そのまま部屋から飛び出せばよかったような気もするんだけど、その時は思いつかなかった