洒落怖
復讐

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648 642 sage 2008/01/03(木) 12:08:26 ID:Wl3hyzG/0
「俺にもわかる、おまえがかわいそうだ」
口調がまったくかわって一人称もかわった。
円らな目が細く鋭い輝きを放って、声も低く、唸るような響きを持った。
これが多分あの嘲りをやってのけた、彼の異常そのものだと瞬間的に理解した。
彼の壊れ方は、一般的にいえば、二重人格として知られるものだったようだ。
だとしたら、外部の脅威に対抗するために作り出された人格は、凶悪であるはず。
そうあるべき、凶悪としか思えない彼の目から粒の涙がこぼれた。
そのまま泣き崩れると彼は号泣した。
皆がその声を聞いて驚いて出てくる前に、私は彼の荷物をもとどおりにまとめて、彼をつれて実家に向かった。

私がこの話をせざるを得ない理由は、私も辛いからだ。
私は、不倫し、そして縋る夫を捨てて、他の男と同棲を続けているアバズレと見られている。
まだ離婚は成立していない。
事情を知らない者達からみれば、私が悪いとしか思えないのあたりまえの事だ

しかし真実、アバズレは私のママだ。
彼女は、担任の娘婿とW不倫し、担任が狂うきっかけをつくった。
彼女の父、私の祖父が途方も無い大金持ちだったから。
担任は声高に非難して職を失うか、黙って先生を続けるかを選ばされたらしい。
このことはママが、私の大学時代にまた不倫をして、その前のものと合わせてパパから語られた。

ママの罪が担任を狂わせ、担任の罪が、クラスメイトを狂わせ。
そして最後にその全ての狂気を彼一人が、まるで帳尻あわせのように背負わされた。

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  • 匿名 より:

    登場人物全員糞やんw

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