洒落怖
佇む女

この怖い話は約 2 分で読めます。

最後に、「困ったことがあったら、また来なさい」と、付け加えた。

414 13/14 sage New! 2008/10/30(木) 11:03:51 ID:tl4Q/2/Z0
Uは神社を出て、家に帰った。
母親がいたが、彼を見るなりヒステリックに「こっちへ来なさい!」と叫んだので、
小言を言われるのだと思ったUは、それを無視して部屋に行った。

家の前から『女』は消えていたものの、念のために、部屋の隅にもらった
お札を貼った。

415 14/14 sage New! 2008/10/30(木) 11:04:20 ID:tl4Q/2/Z0
結論を言うと、Uはその後、学校では疎外感を味わい続け、受験にも失敗した。
両親はエリートコースから外れかけている息子にいたく失望したらしく、
最初のうちは怒鳴ったり説教したりしていたが、次第に諦め、無関心に
なって行ったらしい。

この出来事が切欠で、Uは『見える人』になってしまったようだった。
しかし、未だに「怖がらずにいること」ができないと言う。
と言うより、未だに自分が正気なのかどうなのか、半ば疑っているようだった。

この話をしている時、Uは酒に酔っていたため、暗い話をしているという感じではなく、
むしろゲラゲラと自分を自嘲しているような感じだった。

結局、『女』がなんであったのかは、よくわからないらしい。
通りすがりの強い霊かなにかであったらしいが、川辺になぜたたずんでいたのかは、
不明だそうだ。

余談だが、世の中には、「気持ちの持ちよう」ではどうにもならないモノと言うのも
存在するらしい。
幸いにも、Uはまだ実際に遭遇したことはないが、もし遭遇したら、
本格的な修行かなにかをする羽目になるのかもしれない、とこぼしていた。
それはそれで、Uのためにもいいのでは……と思ったが、
Uは「とんでもないっ!」と顔色を変えてドラクエのような台詞を吐いた。

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佇む女