洒落怖
人形騒動

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「単刀直入に、どうすればいいですかね?」
「捨てたらいいだろ」
「それくらいお前だって分かるだろう・・・」みたいな顔をされたが、そういうわけにもいかない。

「いや、僕のじゃないですから。女の子のなんだから、勝手に燃やしたりするのは気が引けるというか・・・」
「もう返せばいいじゃないか、そうしたら消える」
「いや、その女の子の身に危険が・・・」
「その子、どうせお前の母親方の子だろう」
「そうですけど」
「なら大丈夫だ。お前が我慢すればいい」
ええ・・・と困り果てた僕に観念したのか、坊主は「はいはい、俺がなんとかしておくから、子供は帰って宿題しな」と言うと、
面倒くさそうに禿げた頭を掻きながら、本堂へと繋がる廊下へ消えた。

646 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/09/04(日) 15:50:52.72 ID:Fz2g+GSN0
「ちょ、もう終わりですか」
「終わり終わり、お経を唱えなくちゃね~」
なんて、いけしゃあしゃあと言う声が向こうから聞こえてきた。
取りつく島もないってか・・・と諦めた僕は、家に戻った。まあ、あの様子なら大丈夫なのか。

(ただいま~)
しんなりとリビングへ行くと、父さんが横になってテレビを見ていた。

「さっき、お前の部屋にあった人形、○○さんが持って帰ったよ」
僕の身にあったことも知らないで、もののついでに言う父さんは眠たそうだった。
それからはと言うものの、まるで心霊騒ぎなんて端から無かったように、なんともない日々が過ぎた。
まあ、幽霊なんてこんなものか・・・と構えた僕が、宿題三昧の、この夏最後の3日間を過ごすことになるのは、まだ先の話。

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