洒落怖
夢魅

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流れる旅の中、宗介はとある集落に辿り着き、いつものように人々から夢についての話を聞き回っていた

集落の人達から話を聞いて数日が経ったある日、その集落の長の使いという人物が現れた
是非あなたの話を伺いたいという誘いの話だった

宗介はそれに了解し、長の屋敷に行き、長と話をしていた
どうやら長の一人娘が毎晩悪夢ばかりを見てろくに睡眠も取れてない、それをどうにか出来ないかという話だった

宗介は今まで自分が得た知識で人助けになるならと、今でいうセラピーみたいな事を施し、数日後には娘は悪夢など全く見なくなり、長は大変喜び宗介を気にいったようだった

45 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 09:18:59.46 ID:YSGKGk/pO
集落の者を使い宗介の為の家をこさえ、宗介にここに住んでもらいたいとの事だった
宗介は悩んだが集落の人達の暖かい歓迎を受け、それに承諾し、集落の一員となった

元々の人柄もあり宗介は集落の人達から人望を集めていた、一人娘もセラピー以来宗介に心を開いており、長もいずれは娘の婿として迎え、この集落をまとめてもらいたいと考えていた

だかそれを気にいらない人物がいた、長の使いで使用人の男だった、元々野心家で使用人になったのも一人娘を自分の物とし、いずれは自分が集落の長になるつもりだった

だから、宗介の存在がどうしようもなく疎ましかった、その為どうにか出来ないかと考えていたある日、他の使用人が一人娘の話をしているのを偶然聞き、それを利用しようと考えた

一人娘は毎晩色欲の夢ばかり見るという話だった、完全な箱入り娘だった為使用人以外の男と会話すらした事なく、年齢的にも考えておかしくはない歳だった

普通に考えて娘は宗介に好意があったのは間違いない、決して悪い事ではない、だがそれも言い方一つで悪い方に向かわせれる
使用人は長にこう話した「最近一人娘が色夢ばかり見るのは長の地位目当てに一人娘を自分の物にする為に宗介が仕組んだ事だ最初からこのつもりで近付いた事だと」と

46 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 09:19:31.71 ID:YSGKGk/pO
長は憤慨した、そんな事しなくてもいずれは長の地位を継がせるつもりなのに、そんな形で今までの信頼を裏切るなんて、絶対許せる事ではない

長は宗介を呼び出し宗介を責め立てた
宗介は身に覚えがないと訴えたがまるで聞き耳を持たなかった、密告人は長年付き従った使用人、それに加え夢を操れる人物など宗介以外に考えられなかったからだ

長は宗介に2週間の猶予を与え、その間に色夢をやめさせないとただではおかないと言った
宗介はどうにかしようとあらゆる手を尽くしたが全て逆効果だった、何せ娘からしたら慕っている人物が目の前にいるのだ、色夢は止む所か膨らむばかりだった

その間に使用人は集落の人々にも宗介の話をし、ある事無い事を言い回し、宗介の人望を消し去った
今まで暖かかった人達は嘘みたいに冷たく、宗介を避け、宗介は孤立した
今までは周りの人の手伝いなどをし食料分けてもらっていたがそれすらも無くなった

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