洒落怖
夢魅

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私 「そういやKあの時の「玉」どうしたんだよ?しっかり返したのか?」
A 「何だよ「玉」って?」
私 「いや廃寺の地下に降りた時にKが持って帰っちゃったんだよ、お札とかあったから、良い物じゃないだろ?」
A 「札!?何を持って帰ってきてるんだよ、Kそれどうしたんだよ?」
K 「金庫開けたの私だしあれ私のだよ、今も持ってるし」
そう言って鞄から「玉」を取り出した、気のせいか「玉」は前と輝き方が違く見え、前以上に気が遠退く感じがした

35 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 08:45:24.97 ID:YSGKGk/pO
A 「何だよ、それ?普通じゃなくね?一瞬気分悪くなったし」
どうやらAも私と同じ感覚を感じたようだった
K 「そんな事ないよ、逆にこれ持って帰った日からいい夢ばかり見るし、良い事ばっかだよ」
話しを詳しく聞くと、「玉」を持ち帰った日から毎日小さな頃から持っていた様々な夢が叶う夢だけを見るようになり、学校の成績、評価も上がり、雑誌に送った自分が書いた物が載ったりと色々良い事ばかり起こるらしい

なるほど、Kの自信はここからかと思った、だから今までの地味な格好も変え、過剰なまでに自信に満ち溢れてたんだなって

A 「ちょっと見せてみろよ、良い事悪い事抜きにしても普通じゃないだろ?」
そういってKから「玉」を取って観察し始めた
A 「石や金属じゃないな表面に塗ってあるのは恐らく漆だ、ただそれだけじゃないな何か混ぜてある」
家業の関係上、漆など詳しいAはまじまじと「玉」を観察していた

A 「駄目だ、俺じゃわかんねー親父に見せたらわかるかもしれないけど」
そう言って「玉」をKに返した

その後もしばらく話しながら飲み、そろそろ遅くなったし解散となり、帰ろうとしてる間際に玄関でAが言いました
A 「K!!良い事ばかりかもしれないけど普通じゃない事はわかってんだから、すぐに戻せよ」
K 「大丈夫だって、私が成功したら皆にこれを貸したげるから」
そう笑顔でおどけて見せた、それがKの見せる最後の笑顔となった

36 本当にあった怖い名無し 2012/05/01(火) 08:46:20.90 ID:YSGKGk/pO
それからは「玉」の事もすっかり忘れ普通の生活に戻っていました
2週間程たって夜暇過ぎたので散歩がてらコンビニに行く途中Eと会いました

私 「おすっ今日は珍しく一人?また喧嘩したのか?」
E 「フゥー皆いつも一緒にいるとしか思ってないね、まあいいけどさ、そういや最近Kに会った?」
私 「いや、飲んだ日以来見てもないけど、どうかした?」
E 「ここ一週間程前から連絡取れないんだ、学校も来てないし、心配しててさ」
私 「そっか、病気してんのかもしれないし、今度3人でKん家に行ってみるか、Aに伝えといて」
そう言ってコンビニに向かった
コンビニで買い物を済ませ、帰る途中ふとあの「玉」を思い出した
あんな変な「玉」誰が何の為に作ったんだろ、親父にでも聞いてみるか、そう思い自宅に着いた私は親父に聞いてみた

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