この怖い話は約 3 分で読めます。
自分的には死ぬ程洒落にならない怖い話。
と言うのも、この話は自分の名字の由来に関する話です。
田舎の方に行くと、地域に同じ苗字の家が密集してる集落なんてのは割とよくあるんじゃないかと思う。
そんで俺の住んでた地域も2,3種類の名字が大半を占めていてました。
あ、申し遅れましたが俺の名字は「末吉」です。
よく「すえきち」と呼ばれますが「すえよし」です。
九州の方に割と多い苗字みたいですが九州出身ではないです。
ほんで、周りの家は同じ苗字ばっかりなのに自分んちだけ末吉。
小さい頃は郵便物が間違えて配達されたりせんで便利だなー、とか
割と最近になって引っ越してきたんかなー?ぐらいにしか思っていなかった。
135 :末吉@\(^o^)/:2014/06/12(木) 22:13:27.89 ID:jgczOI+X0.net
そして中学生ぐらいの頃、名字の由来やに関するテレビ番組を見た。
名字に「藤」が付く人は藤原氏の家系だ、とか
全国の珍しい名字とその由来なんかを紹介する番組だった。
その番組を見て自分の名字の由来が気になった俺はじぃちゃんに、
「うちの名字に由来ってあるん?」と何の気なしに聞いてみました。
するとじぃちゃんは何故か少し困った様な顔をしました。
そしてしばらく考えた後、「お前にも関係のある話だから・・・」と少しずつ話し始めてくれました。
136 :末吉@\(^o^)/:2014/06/12(木) 22:14:14.36 ID:jgczOI+X0.net
昔々、まだ農民が苗字を持っていなかった頃
住んでいるこの集落は山間部のため農作物の育ちのあまり良くない地域だったが、
自分達が食べていく分ぐらいは何とかなっていたらしい。
しかし、ある年から凶作が続き次第に飢餓で亡くなる者が出てくるようになった。
そこで集落の人達は藁にもすがる思いで祈祷師(占い師?)に豊作の祈願をしてもらうことにした。
その祈祷師は「豊作を望むのであればこの集落で家で嫡子(長男)となる子が生まれたらその子の首をはね、
体を集落にある一番高い木のできるだけ高いところへくくりつけ、頭は根元の土を掘り埋めなさい」と人々に告げた。
祈祷師は続けて「一度この生贄を始めるとその家系は代々嫡子を生贄にしなけばならない、
もし途中で止めてしまうと再びひどい凶作になるだろう」と警告をした。
そしてその後、間もなくして嫡子が生まれたのが我が家のご先祖様夫婦、という訳らしい。
137 :末吉@\(^o^)/:2014/06/12(木) 22:16:28.29 ID:jgczOI+X0.net
ご先祖様は当然、我が子を生贄にすることに最初は渋っていた。
しかし、翌年も凶作が続くようなことがあれば集落の多くの人が飢餓で亡くなるような状況であり、
集落の人達からの説得もあって渋々承諾したようです。
そして翌年、集落では今までになく豊作に恵まれ、その後飢餓で亡くなる者もなかった。
またご先祖様夫婦には新しい跡取り(次男)も生まれ、集落の人達から感謝されながら暮らしたそうだ。