子どものころの怖い話
地蔵と頭痛

この怖い話は約 3 分で読めます。

俺(なんだよこれ!やばいって!)
頭の中を掻き回されるような痛みと吐き気に耐えきれず俺は嘔吐を繰り返した。
どれ位の時間苦しんでいただろうか。胃の中のものを全て出し切り、胃液さえ出なくなっていた。そこに、なかなか台所に来ない俺を呼びに母がやって来た。部屋に入り俺の様子を見て驚愕したようだ。
母「どがんした○○(俺の名前)!大丈夫や?!お父さん!お父さーん!」
朦朧とする意識の中で母の声がする。どうやら父を呼んでいるようだ。やって来た父も母と同じように驚愕した。
父「○○!○○!おい、△△(母の名前)!救急車呼べ!」
両親の後ろで姉と兄が泣きながらオロオロしている。俺は助けてと言おうとした。しかし…
俺「あ…あぅ…あぁ…」
声がでない。そこで俺の意識は途絶えた。

342 本当にあった怖い名無し sage 2008/12/02(火) 23:18:46 ID:Z4S5yVYYO

気がついた時には病院のベッドの上だった。何故か口にタオルがつっこんである。訳の分からない俺に、側にいた両親が泣きながらよかったと言っている。俺は2日間意識が無かったそうだ。頭痛は嘘のように無くなっている。俺は両親に2日間のことを尋ねた。
父「お前が気絶してから救急車を待っとる間、俺達はお前にずっと呼びかけよった。1分位してやろうか…さっきまで苦しがっとるとは思えん位にいきなりお前が立ち上がった。そしたらいきなり走り出して家を出て行った。」
母「お父さんはお前をそのまま追いかけて、お母さんは車でその後を追った。」
この時点で俺は訳が分からなかった。
俺「えっ…?走った?何で?」
父は俺の問いかけに答えず話を続けた。
父「追いかけとったらお前が急に止まってな、川の斜面を滑り降りた。その後を追ったらお前がしゃがみ込んどった。どこかケガしたんやろうかと思ってお前の所に行ったら…」
そこで父が口ごもった。

344 本当にあった怖い名無し sage 2008/12/02(火) 23:29:20 ID:Z4S5yVYYO

俺「何!俺はそこで何しよった?!」
父「ああ…お前が何かぶつぶつ言いよった。俺の頭とか、奴等のせいでとか…とにかく訳が分からんかった。俺はお前の気をしっかりさせるために2~3回軽くビンタした。
父は話終えると同時に深いため息をついた。
俺は父の話を聞いてさらに混乱した。なんで意識が無いのに走ったり出来たのかと怖くなった。(ちなみに2日目にも口にタオル突っ込まれていた病院でも何回か痙攣起こしていたため)
更に1日の検索入後、異常なしと医者から結果を告げられた。

病院から家に帰る途中俺はふと父の言葉を思い出した。斜面…俺の頭…。そして俺のあの異常なまでの頭痛…
俺は3日前の頭の無い地蔵を思い出した。帰りの車内で父に地蔵の事を尋ねてみた。
俺「なぁ、家の近くに首が無い地蔵ってある?」
父「首が無い地蔵?いや、家の近くには道祖神が一体あるだけ。」
俺「そう…」
婆ぁちゃんに聞いても分からないとの事。自分で地元の歴史とか調べたが地蔵と関係ありそうな事は無かった。結局、あの日見た地蔵が何だったか今も分からない。だが、中学卒業まで俺は毎年冬に原因不明の痙攣が起こった。

この怖い話にコメントする

地蔵と頭痛
関連ワード