子どものころの怖い話
とんでもない廃屋

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小4のときの話。
たぶんみんな経験があると思うけれど、小さい頃って「廃屋」があるって聞いただけで冒険心が疼いて仕方ないと思うんだ。
俺自身もあの日は家からそう遠くない場所にまだ探検してない「とんでもない廃屋」があるって聞いて、狂ったように喜んだのを憶えてる。
狂ったようにって書くと大げさだと思われるのは分かってるけど、その日付が問題で、
「夏休み前日」。
ただでさえテンション上がりまくってるときにそんな話題を聞いたから、普段そんなに
親しくない友達まで呼んで、その日のうちに廃屋へ突撃って事になったんだ。

まさかあの日の事で27歳になった今でも廃屋に近づく事もできない
「廃屋恐怖症」になるなんて、当時の自分に言っても絶対に信じて貰えないと思うよ。
あの日は思ったよりも友人たちが集まるのが遅く、全員(8人くらい)集まったのは空がオレンジ色に染まりだした頃。
廃屋に案内してくれる友達を先頭に、俺、そのほかの友達といった具合に、お互いのリュックを引っ張り合って
兵隊アリみたいにゾロゾロ並んで目的地に向かったんだ。キャッキャ言いながらそんなに遠くない廃屋へついたのは良かったんだけど、
思ってたのとはどうも違う。
244 本当にあった怖い名無し sage 2013/10/14(月) 01:22:31.00 ID:AorKY0kW0
なんと言えばいいのか、俺が求めていた廃屋は「一階からから二階まで天井は腐りきり、幽霊は常備しております!」
みたいな、いかにも何か出そうな雰囲気の場所だったんだ。
でも実際は、場所は住宅街にある森の中、家のデザインも四角形(ちょうどスネ夫の家みたいな)、
ぱっと見た感じ小奇麗で「ホントに廃屋?」って感じの場所で正直、教えてくれた友達には悪いがとても興味をそそられる様な物ではなかった。
でもせっかくここまで来たんだから、結局探検する事になったんだよね。
まずは一階からということで勝手口から侵入、中を見渡すとおかしなものが沢山ある。
ビーカー、シャーレ、顕微鏡、どれも理科室で見たようなものばかりでとてもじゃないが普通の家とは思えない。
でも何故かそれ以上に興味を引かれたのは沢山の棚に収められた本の数々だったんだ。家は広く、壁一面に本棚があって
そこにはびっちり本や書類が詰まっていて、床にも書類が散らばってて先客がいた事を思わせた。
その事を話すと、犯人はこの廃屋を教えてくれた友達だったんだ。そこで友達が腕組みしながら、今日はなんで「とんでもない廃屋」なんて言ったと思う?
と聞いてくるので正直分からないと答えると指を本棚へ向け、その本を開いてみろと言う。

255 本当にあった怖い名無し sage 2013/10/14(月) 08:14:49.00 ID:SHSKxkAB0

言われたとおり本を手にとり開いてみた瞬間、そこにいた全員が「っ!?」と声にならない声を上げた。
本の中身は、皮を剥がれた男の死体の写真。
そこにいた全員が息を呑む、本を開けと言った友達さえも。
だが次の瞬間にはある考えがうかんだんだ。
「この家ってお医者さんの家じゃない?」そう俺が言うとみんなまだ完全には立ち直れていないものの、
なるほどねと納得していたようで友達が写真を眺めている間、俺はほかの部屋を探索することにした。
キッチン、リビング、風呂、トイレ、見て回って分かったことが一つ、
この家に住んでいた人はとても知的で素敵な人だろうと言う事。

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  • 匿名 より:

    廃屋に入りたがる輩はガイジ

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