子どものころの怖い話
とんでもない廃屋

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272 本当にあった怖い名無し sage 2013/10/14(月) 11:18:29.02 ID:SHSKxkAB0
「中に入ってみたい奴」「このまま帰りたい奴」結果、好奇心が勝る。
俺が先頭に立ち窓に手をかけると、あぁ、開いた。正直言うと嬉しさ半分、後悔半分、もう往くしかない。
覚悟を決めて窓を開けると満面の笑みで微笑む水着の女がいた、ポスターの。
「心臓が止まった・・・」溜息をつく俺を見て爆笑する友達、大笑いするみんなに腹は立ったがそれ以上に気持ちが軽くなっていて怒る気はしない。
・・・・・ただ気になったことが一つ、何でポスターの口にルージュが引いてあるんだ?
疑問はあったがそのまま窓を跨ぎ二階へ足を踏み入れた、廊下は暗く湿っている。
当たり前だ、入ってあらためて見渡すと日の光が射せそうな場所が一切無い。
隙間はすべて黒塗りの新聞や雑誌で覆われていてどんな晴天でもこの部屋に光を入れることはできない。
さっきまではこの家に住んでいた人間は、知的でセンスのあるそんな人だと思っていた。
だが今となっては友達の言葉が頭の中でこだまのように響く。
「頭のおかしい医者が住んでいたんだ!」
「絶対やばいって、本物の死体とかあるかも!」

276 本当にあった怖い名無し sage 2013/10/14(月) 11:24:22.80 ID:SHSKxkAB0
帰りたい、今すぐに。それなのに好奇心が俺達の足を進め進めと突っついてくる。
ゆっくりゆっくり前へ進むと一歩足を進める度に、この部屋の住人の異常性が伝わってきた。
廊下の奥に進むほど壁の黒塗り度合いは減っていき、反比例するように異常性が上がってゆく。
入り口付近の壁には黒塗りの壁に水着の女や海外のポルノグラビア、まだこれなら良い。
だが奥の壁にはグラビアから顔だけ抉り、代わりに一階にあった死体の写真から切り取ったであろう顔を貼り付けてある。
ポジティブな考えは全て消え失せた。
こんな事をしたのがこの家の主だろうが廃屋に移り住んだホームレスだろうがどうでもいい、
みんなこの光景に言葉を失ってはいるが目を見ればわかる、満場一致で「今すぐ出よう」だ。
きびすを返し元の窓に戻ろうとしたとき、友達が言った。
「・・・・・・人がいる」その場で全員が、友達が指差す方を見る。
廊下から部屋に続くすりガラスの向こう側、そこに懐中電灯を全員が一斉に当てた。
女がいる、下着姿の、それも一人ではなく、大勢。
全員声も出さず、呼吸もぜず、ただ固まったままライトを当てている。
どれだけ時間がたっただろう、誰かが言った。

279 本当にあった怖い名無し sage 2013/10/14(月) 11:41:59.44 ID:SHSKxkAB0
「・・・・マネキン?」俺も口を開く、「・・・・かな・・・たぶん」
ゆっくりすりガラスをあけると「彼女たち」は確かにいた。
「・・・・・・マネキンかよぉ・・・・・勘弁してくれよ!」
部屋の中を見渡すとマネキンが林のように並んでいる、広いへやに二十体ほど。
「気色わりぃ・・・」
みんな口々に同じような事を言っている、でも気色悪いのはマネキンの存在でも
その多すぎる数でもなく、マネキンのその姿だ。下着は下着でも機能的なものじゃない、小学生の俺達も知っている、
公園で拾う本の後ろ側に載っている、男を誘うためにあるような・・・そんな下着。

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  • 匿名 より:

    廃屋に入りたがる輩はガイジ

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