宗教
信者

この怖い話は約 3 分で読めます。

オカルトではないですが、一応「死ぬほど」と「洒落にならない」に合致する経験談です。

高校3年のある日、学校の休憩時間。
「お前らに尾崎豊の気持ちがわかるのかよ!」
教室で突然、叫び声が響いた。
「何にも知らないクセに、お前らなんかに尾崎のなにが分かるってんだよ!!」
声の主はA。彼は尾崎豊の熱狂的なファンであった。
どうやら周りにいるB、C、Dが尾崎豊の歌や歌詞なんかを茶化したらしい。
普段大人しく、無愛想でもあるAがこの時ばかりは顔を真っ赤にして怒っていた。
そして、Aは3人を見下すように見つめながら吐き捨てるように行った。
「尾崎のことが分からないなんて、お前ら可哀相なヤツらだな・・・・」

Aと私は同級生でクラスも一緒であったが、ほとんど口をきいたことがなかった。
ただ、彼が尾崎豊の熱心なファンであることは、人づてに聞いて知っていた。
ほとんど友人がおらず、いつも教室の自分の席で一人佇み、ウォークマンで音楽(たぶん尾崎豊だろう)
を聞いていたり、何か本を読んでいた。そんなヤツだった。
39 名前: 2 of 6 2006/07/16(日) 20:39:47 ID:+X0nvUWZ0
私の通っていた高校は、一応地元では名の通った進学校であり、生徒のほとんどは受験勉強に
熱心に取り組み、その合間に要領よく部活に打ち込んでおり、いわゆるイジメとかはほとんど
見られなかった。
Aについてもかなり変わった生徒であったが、周りの多くは自分のことに精一杯打ち込み、
いちいちかまっている連中はいなかった。
たまにこうして冷やかす連中はいたが・・・。

Aは地元の中学ではトップクラスの成績であったという。確かにAの風貌はどこか秀才君的
なイメージがあった。もっとも地域の成績のいいやつが集まったなかでは彼は目立たなかった。
一年のころは成績もいいほうだったが、だんだん落ちていった。

そんな彼が、学校でちょっと話題になった事件を起こした。
もっとも、部活に忙しかった私は当時はぜんぜん知らなかったが・・・。

Eという同級生の女の子に恋をし、告白をしたという。

40 名前: 3 of 6 2006/07/16(日) 20:42:05 ID:+X0nvUWZ0
はじめは同じ進学塾に通っていたよしみで廊下などですれ違うたびに軽く挨拶する程度の仲だったらしい。
もしかしたらAはこの程度のことでカン違いしたのかも知れない。
ある日、AはEに告白した。
その際、「俺の思いが詰まっている」と言って、尾崎豊の曲の入ったカセットテープを手渡したらしい。

Eは怯えてしまった。
Eは真面目で物静かな、可愛らしい女の子だった。内気そうなAが好きになりそうなタイプかも知れない。
自分の思いの丈を全て彼女にストレートにぶつければ、彼女もわかってくれる、そんな風に思ってたのかも
知れない。尾崎豊風に。しかし現実はそう自分の意図してた通りに行くわけはない。

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  • 匿名 より:

    今はそうかと
    幸福の科学がそう

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