学校の怖い話
自殺の真相

この怖い話は約 3 分で読めます。

190 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/06(水) 16:02:34.70 ID:JN2TkoP+0
3/7
自分も救急車に乗るよう言われたが、身体は救急車と反対方向に動いた。
いっ君はこうなる事を予知していたのだ。
だから、心配をかけたくなくて何も相談してくれなかったのだ。
自分はその時何故か「宇宙人」に会いたくなったのだ。
砂場に埋まっているはずの赤いブロックを探がすために、幼稚園に勝手に入り込もうとした。
きっと、宇宙人がいっ君を助けてくれるはずだと信じて。
背後で車が停車する音が聞こえた。
ウィーンと車の窓の開く音がした。
「振り向かないで」
「箱、全部燃やして。解かる?」
頭に、ケイコ先生によって埋められた標本箱が浮かんだ。
「そう。それを燃やす」
「いっ君、死なないよね?」
ウィーンと車の窓が閉まる音がして、車が動き出す音がした。
振り返ると、道路に黒い小さな箱が置いてあった。
マッチ箱だった。
気が付くと、もう空はオレンジ色で夕方だった。
おかしい。さっきまで、朝の九時だったのに。

191 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/06(水) 16:04:48.75 ID:JN2TkoP+0
4/7
急いで学校へ行き、墓の前に立つ。
例のお墓は掘り返したような跡というより、地中からもぐらが出て来た様な変な跡だった。
気味が悪いが、ほじくりかえして標本箱に火をつけた。
あの黒いマッチ箱に一本だけ入っていたマッチだ。
火事になったら、大変だから側に水の入ったバケツも用意していた。
それなのに、標本箱だけが一瞬にして燃え尽きて黒い灰が残った。
何気なく、振り返ると自分達のクラスの教室の窓辺に真っ黒な人影がじーっとこっちを見下ろしていた。
一瞬でいなくなったと思った。
しかし、校舎の玄関のドアガラスに人影がバンと当たって、ジタバタしている。
手足の他に背中の方でも何かバタバタさせている。
蝶のハネだった。
そして、表情は解からなかったが、目だけが闇に浮かび上がってギョロギョロ動いている。
意味も無くただ、蝶人間はずっともがいている。
もう、声も出なかった。

192 ME ◆KCYjPGrG56 sage New! 2011/04/06(水) 16:06:53.03 ID:JN2TkoP+0
5/7
「MEちゃん。どうして、学校に来なかったの?先生が今日ずっと見ていたMEちゃんは誰だったの?」
ケイコ先生がフラフラしながら玄関から出て来た。
後ろに蝶人間を連ねて。
「ケイコ先生!」慌てて追いかけてきた同じ二年生の担任をしているユタカ先生やミチコ先生がケイコ先生をはがいじめにした。
「墓を掘り返すな!墓を掘り返すな!」
「ああああああああ」とケイコ先生は発狂し、救急車で運ばれてしまった。みこちゃんはひょっこり何処からか出て来た。
「朝から大変だったんだよ。あの蝶人間がケイコ先生と一緒に教室に入ってくるし」
「ケイコ先生はいっ君が死んでないのに朝の会で突然『死にました』って言うし」
「学校に来なかったMEちゃんが椅子に座っているって思い込んでいたし」
「やっぱり、いっ君が登校中に事故にあったの……ショックだったのかなあ」
みこちゃんにしか話せなかったため、全部を話した。

この怖い話にコメントする

自殺の真相