殿堂入り怖い話
姦姦蛇螺(かんかんだら)

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28:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/02(月) 18:54:50.63 ID:Miqo0XRx0
あと、特定の日に巫女さんが入り口に数人集まってるのを見かけるんだが、
その日は付近一帯が立入禁止になるため何してんのかは謎だった。

いろんな噂が飛び交ってたが、カルト教団の洗脳施設がある…ってのが一番広まってた噂。
そもそもその地点まで行くのが面倒だから、その奥まで行ったって話はほとんどなかったな。

親父はBの返事を待たずにお母さんを連れて2階に上がってった。
Bはそのまま家を出て、待ち合わせてたオレとAと合流。そこでオレ達も話を聞いた。

A「父親がそこまで言うなんて相当だな。」

オレ「噂じゃカルト教団のアジトだっけ。捕まって洗脳されちまえって事かね。
   怖いっちゃ怖いが…どうすんだ?行くのか?」

B「行くに決まってんだろ。どうせ親父のハッタリだ。」

面白半分でオレとAもついていき、三人でそこへ向かう事になった。
あれこれ道具を用意して、時間は夜中の一時過ぎぐらいだったかな。

意気揚揚と現場に到着し、持ってきた懐中電灯で前を照らしながら森へ入っていった。
軽装でも進んで行けるような道だし、オレ達はいつも地下足袋だったんで歩きやすかったが、
問題の地点へは四十分近くは歩かないといけない。

ところが、入って五分もしないうちにおかしな事になった。

オレ達が入って歩きだしたのとほぼ同じタイミングで、何か音が遠くから聞こえ始めた。
夜の静けさがやたらとその音を強調させる。最初に気付いたのはBだった。

B「おい、何か聞こえねぇか?」

Bの言葉で耳をすませてみると、確かに聞こえた。落ち葉を引きずるカサカサ…という音と、
枝がパキッ…パキッ…と折れる音。それが遠くの方から微かに聞こえてきている。

遠くから微かに…というせいもあって、さほど恐怖は感じなかった。
人って考える前に動物ぐらいいるだろ、そんな思いもあり構わず進んでいった。

動物だと考えてから気にしなくなったが、そのまま二十分ぐらい進んできたところで
またBが何か気付き、オレとAの足を止めた。

29:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/02(月) 18:56:01.56 ID:Miqo0XRx0
B「A、お前だけちょっと歩いてみてくれ。」

A「?…何でだよ。」

B「いいから早く」

Aが不思議そうに一人で前へ歩いていき、またこっちへ戻ってくる。
それを見て、Bは考え込むような表情になった。

A「おい、何なんだよ?」

オレ「説明しろ!」
オレ達がそう言うと

Bは「静かにしてよ?く聞いててみ」と、Aにさせたように一人で前へ歩いていき、
またこっちに戻ってきた。二、三度繰り返してようやくオレ達も気付いた。

遠くから微かに聞こえてきている音は、オレ達の動きに合わせていた。
オレ達が歩きだせばその音も歩きだし、オレ達が立ち止まると音も止まる。
まるでこっちの様子がわかっているようだった。

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