殿堂入り怖い話
姦姦蛇螺(かんかんだら)

この怖い話は約 3 分で読めます。

村人達が陰から見守る中、巫女は大蛇を退治すべく懸命に立ち向かった。
しかし、わずかな隙をつかれ、大蛇に下半身を食われてしまった。
それでも巫女は村人達を守ろうと様々な術を使い、必死で立ち向かった。

ところが、下半身を失っては勝ち目がないと決め込んだ村人達はあろう事か、
巫女を生け贄にする代わりに村の安全を保障してほしいと大蛇に持ちかけた。

強い力を持つ巫女を疎ましく思っていた大蛇はそれを承諾、
食べやすいようにと村人達に腕を切り落とさせ、達磨状態の巫女を食らった。
そうして、村人達は一時の平穏を得た。

後になって、巫女の家の者が思案した計画だった事が明かされる。
この時の巫女の家族は六人。

異変はすぐに起きた。
大蛇がある日から姿を見せなくなり、襲うものがいなくなったはずの村で次々と人が死んでいった。
村の中で、山の中で、森の中で。
死んだ者達はみな、右腕・左腕のどちらかが無くなっていた。

50:以下、名無しにかわりましてVIPがお送りします:2011/05/02(月) 19:10:43.48 ID:Miqo0XRx0
十八人が死亡。(巫女の家族六人を含む)
生き残ったのは四人だった。

おっさんと葵が交互に説明した。

伯父「これがいつからどこで伝わってたのかはわからんが、あの箱は一定の周期で
   場所を移して供養されてきた。その時々によって、管理者は違う。
   箱に家紋みたいのがあったろ?ありゃ今まで供養の場所を提供してきた家々だ。
   うちみたいな家柄のもんでそれを審査する集まりがあってな、そこで決められてる。
   まれに自ら志願してくるバカもいるがな。
   管理者以外にゃかんかんだらに関する話は一切知らされない。
   付近の住民には、いわくがあるって事と万が一の時の相談先だけが管理者から伝えられる。
   伝える際には相談役、つまりわしらみたいな家柄のもんが立ち合うから、
   それだけでいわくの意味を理解するわけだ。今の相談役はうちじゃねえが、
   至急って事で昨日うちに連絡がまわってきた。」

どうやら一昨日Bのお母さんが電話していたのは別のとこらしく、
話を聞いた先方はBを連れてこの家を尋ね、話し合った結果こっちに任せたらしい。
Bのお母さんはオレ達があそこに行っていた間に、すでにそこに電話してて
ある程度詳細を聞かされていたようだ。

葵「基本的に、山もしくは森に移されます。御覧になられたと思いますが、
  六本の木と六本の縄は村人達を、六本の棒は巫女の家族を、四隅に置かれた壺は
  生き残られた四人を表しています。
  そして、六本の棒が成している形こそが、巫女を表しているのです。
  なぜこのような形式がとられるようになったか。
  箱自体に関しましても、いつからあのようなものだったか。
  私の家を含め、今現在では伝わっている以上の詳細を知る者はいないでしょう。」

この怖い話にコメントする

姦姦蛇螺(かんかんだら)