洒落怖
見て見ぬ振り

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ある会社に同期入社のAとKがいた。
二人はお互い切磋琢磨し、重要な仕事を任されるまでになった。
しかしある時から些細なことでKが会社内でいじめられるようになった。
最初のうちはAはKを励ましていたが、
部署全体がKをハブるようになってくるとAも次第にKのことを見て見ぬ振りするようになった。
そして次第にKは会社に来なくなり、
ついに皆、Kという社員がいたことなどすっかり忘れてしまった…

5年後、Aは部長に昇進しており順風満帆な日々を送っていた。

ある日の夕方、Aが帰宅の準備をしているときふと窓の外に目をやると、
向かいの4階建ての雑居ビルの屋上から今にも飛び降りそうなKの姿があった。
Aは向かいの雑居ビルに走って行き、
急いで階段をかけ上がり屋上の扉を開けた。
そこには先程窓からみた姿のままのKがいた。
Aは忘れたようでずっと心の奥に引っ掛かっていたあの時の後悔が堰を切ったように溢れ出した。

「すまない、K。何もしてやれなくて。」

その言葉を待っていたかのようにKは微笑み、

「止めて欲しかった。君のことを見つめながら。5年間ずっと。」

そう言い残しKはビルの下へと崩れていった。

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