洒落怖
香水の香り

この怖い話は約 3 分で読めます。

 少し長文ですが、最近結婚した大学時代の友人Aの話です。

 梅雨明けのある夜、Aは寝ようとしているときに、どこからか、香水の匂いがすることに気付いた。甘くほのかに桃のような感じがする匂いだった。
 Aは香水を持っていないので、開けている窓から匂いが入ってきたか、自分の持ち物に、たまたま誰かの香水が移っただけだと思い、気にせずに寝た。
 ただ、その日の後から、大学にいるときや、買い物をしているときなどに、あの晩と同じ匂いがするときがあり、週に何度かその匂いがした。
488:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/04/05(日) 18:54:33.60 ID:mSeGeXVH0.net[2/6]
 Aは香水に興味がなく、友人も香水を使わない男友達ばかりなので、香水については良く分からないが、おそらく流行っている香水なのだと、考えていた。

 大学にいるとき、買い物で外に出ているとき、たまに自室で、匂いがする日がつづいていた。 そんな、ある日コンビニで買い物をしていると、その匂いがする香水をつけている女の子に出会った。女の子は、コンビニの店員で、地味で大人しそうな感じの子だった。

 Aは、やはり、あの匂いは香水のものだったのだと、一人納得した。

 次の日、大学の講義の際、例の香水の匂いがし、周りを確認して見ると、コンビニの女の子がいた。Aは同じ大学に通っていたのか、ひょっとしたら、今までの匂いの元の多くは、彼女の香水だったのかもしれないと思った。
Aは、その事を確認するため、大学や、外出先で、例の香水の匂いがするたびに、周りを見渡してみた。 すると、予想通り、例の女の子がいた。Aは匂いの元がわかり安心感を得た。
489:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/04/05(日) 18:58:06.13 ID:mSeGeXVH0.net[3/6]
匂いの元が彼女であることが確認できた後も、Aはゲーム感覚で、匂いがするたびに、彼女を探してみることをつづけていた。
そんなことをつづけていると、女の子側も自分を見るAの視線に気づいたようで、ある日、匂いがしたときに、Aが女の子を見つけた瞬間、
女の子もAの姿を確認し、すぐに逃げるようにその場を去って行った。

Aは、自身は軽い遊びのつもりで、彼女を探していたが、見方によってはストーカーか何かと勘違いされてしまう行為だったかもしれないと、
そのときになって気づき、後悔をした。

その次の日、Aが大学で講義の開始を待ちながら、昨日のことを悩んでいると、急に隣から例の匂いがした。反射的に目をやると、女の子がおびえた表情でAの隣に立っており、
「なっ、なんで、わたしのことを見ていたんですか?」
と、震えた小さな声で聞いてきた。
 Aは驚き、誤解を招かないように何かを言わなければならないと思ったが、
 「いい匂いがしたからです、」
と、混乱していたため、余計誤解を与えかねない返答をしてしまった。
490:本当にあった怖い名無し@\(^o^)/:2015/04/05(日) 18:59:47.23 ID:mSeGeXVH0.net[4/6]
 しかし、その返答を良い方向に捉えてくれたのか、女の子の表情からおびえが消え、
 「気に入っている香水なんです。」
と、安堵した顔で答えた。
それから、Aの隣に座り、香水について、気に入っている理由や、入手方法などを講義が始まるまで説明した。
このことがきっかけとなり、その後もAと女の子は一緒に講義を受けるようになり、大学や外出先で話すようになった。

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  • 匿名 より:

    羨ましいw

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