洒落怖
輪廻

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「じゃあ、殺された女は客だと思ってドアを開けて・・・」

「そう、運が悪かった・・・いきなりハンマーでガツン!だもんな。殺しの動機は、妹の精神薄弱を治すためらしい。強いショックを与えれば、治ると信じていたようだ。目撃者が見た髪の長い女は、ヤツの妹だよ」

「なんてことだ・・・」

「もっと驚いたのは、母親に『今から人を殺して妹に見せる。そうすれば病気が治る』
と言ってたことだよ」

「母親は止めたのか?」

「いいや」

「ということは、彼女も同じ精神病・・・」

考えられない顛末に、私は絶句した。
しかも翌日、H刑事からまたも悲痛な知らせを聞いた。
唯一まともだった父親が、自宅で首を吊って自殺したというのだ。
私は、この呪われた家族には何かの因果があるのではないかと思った。
そこで調査を開始した。

系譜の調査により、わかったのは、間田家は代々一人しか子どもが生まれていないこと。
つまり、直系が続々と続いている家系で、子孫はみな、ある年齢に達すると精神に異常をきたし凶暴になって人を傷つけ、その後、病院に収容されて生涯を終えている。
だが不思議なことに、身柄を拘束される前に、かならず子どもをつくっている。
まるで、狂った血を途絶えさせまいとするかのように・・・
犯人・間田英雄の場合はどうだろう。
今のところ、親しかった女性や妻子がいるという情報は入っていない。
彼の近くにいた女性といえば、あの妹だけ。
しかし数日後、精神薄弱の妹は、自殺した父親の連れ子で、間田家の血は受け継いでいないという情報が飛び込んできた。
ということは・・・
私は急いで妹の住む町の産婦人科を調査した。
その結果、案の定、彼女が父親不明の子どもを妊娠していることがわかった。
いうまでもなく、その子の父親は間田英雄である。
やはり間田家の血は、新しい命に取り入り、生きていた。
こうなると、間田家の血族をさかのぼり、呪われた血の源を探るしかない。
私は、戸籍にあった英雄の母親の青森県にある出身地を訪ねることにした。
しかし、呪われた血により、無惨に殺された女もまた、深い恨みを残し、霊となって彷徨っているのではないだろうか。

私は青森に発つ前に、殺人事件の現場に向かった。
ハッカー(カギ開け道具)を使い、部屋の中に入る。
カーテンを閉めているせいか、真っ暗だ。
電気をつけようとスイッチを探したが、見つからない。
ジッポーの火をつける。
部屋いっぱいに広がるおびただしい血痕の跡はそのままだ。
スイッチを見つけたが、電気がつかない。
ドアの上部のブレーカーに異常はない。

『おかしいな、外にもスイッチがあるのか?』

と思いながらドアのノブを回したところ、びくともしない。
と、そのとき、強烈な寒けが背後から襲ってきた。
振り向こうとしても、体がまったく動かない!
手も足も顔も、冷気にさらされたように冷えていくが、額から汗が吹き出す。
どういうことだ・・・
突然、

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  • 匿名 より:

    何度読んでもマントルが一番被害者

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