洒落怖
炎と氷

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914 炎と氷 ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/11/23(金) 06:06:31 ID:kXMhFsZQ0
俺はマサさんに女から「精気」を奪う技法についてもレクチャーを受けた。
その時注意されたのは、同じ女と行う時は、行為の間隔を1週間以上開けること。
週1回のペースで3ヶ月行ったら、次に行うまでは6ヶ月以上開けることだった。
俺はマサさんの話を余り本気で聞いていなかったし、房中術の話は眉につばを付けて聞いていた。
ただ、娑婆に戻ったら絶対に試してやろうと思ってはいた。

娑婆に戻った俺は、郷里を離れる前、店外でもよく逢っていた「オキニ」の風俗嬢の部屋に転がり込んだ。
前に書いたように「精力」を抜き取られる時の快感は非常に強く、その快感に飲み込まれた状態を「色情狂」と言う。
俺はマサさんにレクチャーされた内容を当時21歳か22歳だったその子で試した。
房中術の話を聞いた彼女も「ヤル!」と乗り気だった。
彼女の中に挿入して暫くの間、彼女は「余裕」だった。
クスクス笑いながらクイクイ締め付けたり腰をくねらせたりして俺を攻め立てた。
しかし、マサさんに習った方法に従って「導引」を仕掛けた瞬間、様相は一変した。
急に余裕がなくなって激しく喘ぎ出し、あっと言う間に逝ってしまったのだ。
彼女曰く、今までに感じたことのないような強い快感が信じられないくらい長く続いたと言うのだ。
逝ったことはあるがこんなに凄いのは生まれて初めてだと。
ここで俺は大きなミスを犯した。
マサさんの警告を無視して、彼女の求めるままに再度そのまま交わってしまったのだ。

915 炎と氷 ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/11/23(金) 06:07:16 ID:kXMhFsZQ0
それから一週間、彼女は正に色情狂だった。
明らかに疲労困憊しているのに何度も何度も俺を求めるのだ。
俺が「導引」を掛けずに交わると気が狂ったかのように「『あれ』やってよお~」と迫るのだ。
彼女は仕事を休み、飯を食う時間、眠る時間も惜しいといった感じで俺を求め続けた。

一週間目の朝、同じベッドの中、隣に眠る彼女を見て俺はゾッとした。
剥き立てのゆで卵のようだった彼女の肌は張をなくし、目尻に皺が生じていた。
弾力があってプリプリとした感触だった自慢の乳は、ハリを失ってフニャフニャした感触になっていた。
そして、何より衝撃的だったのは、綺麗なダークブラウンの髪の根元が数ミリだったが明らかに白髪となっていたことだ。
俺は目を覚まし、また俺の体を求めようとした彼女に「仕事の斡旋で人に会う約束がある。今度は店に行くから、またな」と言って、彼女の部屋から逃げた。

数日後、彼女の店に電話をすると、過労で倒れて暫く休むと言う事だった。
数週間後、郷里を離れてから彼女の部屋に電話したが、その番号は既に使われていなかった。
店に電話すると彼女は退店してしまっていて、結局それっきりになった。

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