洒落怖
炎と氷

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第2に「激しい呼吸法」
眉間に精神集中をしながら、両鼻孔で25回の呼吸を出来るだけ早く深く繰り返し、完全に息を吐ききったら喉・腹・肛門を締める「三段締め」を行う。
限界まで息を止めたら、両鼻孔で息を吸い、息を圧縮して限界まで保持する。
限界に達したら両鼻孔から勢い良く息を吐き、再び25回の素早い呼吸からはじめる。
これを30回行う。
これは過呼吸のせいか、頭の中や目の前がチカチカしてきてキツイ。

そして第3の「逃れの呼吸法」
呼吸や心拍が限界に達してヤバイ時に行う。
鼻から腹式呼吸で丹田に息を下ろし、下腹で圧縮する。
圧縮を掛けながら下腹からゆっくり息を抜く・・・これは、空手などでスタミナが切れ、息が上がった時に行う呼吸法に非常に良く似ている。
マサさんの修行法は、武道や武術の応用が非常に多いのが特徴なのだ。

906 炎と氷 ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/11/23(金) 05:22:53 ID:kXMhFsZQ0
ガキの頃から運動馬鹿だった俺はPよりもかなり早く条件をクリアできた。
俺は先に第2段階に進んだ。
俺は第4の呼吸法をレクチャーされた。「丹田と尾?を連結させる呼吸法」
下腹を引き締め両鼻孔から息を吐き切る。
右手人差し指を眉間に当て親指で右の鼻孔を閉じ、左の鼻孔から首から尾?骨にかけての「背骨」に息が満ちる事をイメージして息を吸う。
限界まで腹に力を込めて保息し、限界になったら、中指と薬指で左鼻孔を塞ぎ、右鼻孔から吐き出す。
今度は、右鼻孔から息を吸って同様に保息し、左鼻孔から吐き出す。
これを左右交互に3回づつ繰り返すのだ。
マサさんは俺に「明日から3日間道場に篭る。これを飲んで寝ておけ」と俺にボトルに入った、ドス黒い色をした妙な味のする「茶」を飲ませた。
横になると俺はあっという間に眠りに落ちていった。

907 炎と氷 ◆cmuuOjbHnQ sage New! 2007/11/23(金) 05:24:02 ID:kXMhFsZQ0
翌朝、日の出と共に叩き起こされた俺はマサさんと共に道場に入った。
第2の「激しい呼吸法」を終えるとマサさんは俺にパチンコ玉程の大きさの黒い丸薬を飲ませた。
正露丸に良く似た匂いで辛い味のする薬を飲んだ後、第4の呼吸法を行う。
第4の呼吸法を行ずると体温が異常に上がり、心拍も相当早くなる。発汗も物凄い。
しかし、その時の「熱」は異常で、炎の中に放り込まれたかのような熱さだったが、汗は一滴も出なかった。
マサさんは俺に着ている物を全て脱いで、床に横になる様に指示した。
横になると第1の「ゆったりとした呼吸法」を各10秒で行った。
ある程度の停止時間をとらなければ行は進まないが、呼吸のリズムが狂うと失敗し、命に関わると言う事だった。
マサさんは俺の眉間に親指を当て、俺の呼吸に自分の呼吸を合わせた。
やがて、マサさんの親指が触れている眉間の部分と尾?骨の辺りが熱くなり出した。
暫くすると尾?骨のあたりにモゾモゾとした感触が生じ、それは激しくなり、何かが暴れ始めた。
その「暴れる」熱を持った何かは、やがて俺の背骨を這い上がり始めた。
呼吸法で保息している時に、それはググッと少しずつ這い上がってきた。
やがて、それはマサさんが親指を押し付けている眉間の位置まで上ってきた。
それがマサさんの親指に触れた瞬間、俺の背骨を貫いていた熱の固まりはすう~っと消えていった。
同時に、俺の体温はまた一段と上がり、まるで燃え上がったかのようになった。
しかし、不思議な事に熱を発しているのは首から下だけで、首から上に異常はなかった。
肩で息をしながらマサさんは俺に「茶」を飲ませ、そのまま呼吸を保つように指示した。
俺は呼吸法を続け、やがて意識を失った。

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