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「早くくぐり」と言われ、みなそそくさと橋の下を抜けようとしたとき、
橋脚の方から「ふふふっ」と、くぐもった笑い声が聞こえてきました。
皆も聞こえた様で、背中に冷や汗をかきながら小走りに橋を抜けきると、
今度は明らかに私たちに向かって
「帰れ!」と、冷静に叫ばれました。(口調は冷静ですが、とても大きな声で)
みなびくっとしながら声のする方をみると、全身黒ずくめ?
(暗くてあまりよく見えてない)の老人
(顔の輪郭だけがやけにはっきりとして見えた。)が、立っていたので、
てっきり、ホームレスだと思い込み、友人共々、少し安心したのですが、
振り返ると同時に、皆にかぶさるようにしておばさんが
「あれは死神やからもう見たらあかん」といわれ、続けざま
「あれと、目おうてないやろな?」と、言われました。
皆、口を揃え、「おうてない、おうてない」といい、少しそこから離れました。
717 本当にあった怖い名無し 2009/10/11(日) 09:46:19 ID:zGEa3u1U0
あれも、先ほどの怨霊のひとつだそうで、あそこに居る人たちで心に隙のある人を
見つけては仲間にするためにあそこにいるのだそうです。
続けざまにそういった事が起こったこともあり、おばさんとしても我々のことが
気がかりだったらしく、
「もう、今日はやめとこ、改めて私だけで見に来るわ」と、結局捜索は断念し、
そのまま公園を西へ進み難波橋から公園を後にし、
行き同様タクシーを拾っておばさんの家へと向かいました。
その帰りのタクシーの中で、同行した友人の中の一人に
「あんた、さっきの死神の目みたやろ」と、言われ
その友人が少し後ろめたげに「うん」と、うなずきました。
「やっぱり」と、おばさん。
その場を離れた私たちには感じなかったのですが、おばさんにははっきりと
その死神がその友人にかなり強い興味を抱いているのを感じたそうで、
切り上げる決断をしたんだそうです。
おばさんの家に着くと、先の友人に「あんた、上着脱いでみ。」
といわれ、皆それまで気づいて居なかったのですが、
脱いだ上着の左肩部分にぼんやりとですが、単なる汚れとは言い難い、
黒い手形がついておりました。
「見てみ、これでわかったやろ」と、あんたは二度とあそこには近づいたらあかんよ。
と、強く念押しされました。
「上着もお祓いしとくから、おいとき」と言われおいていくことに。
それから友人共々、しっかりとおばさんにお祓いをしていただき、その日は帰ることになりました。
718 本当にあった怖い名無し 2009/10/11(日) 09:53:52 ID:zGEa3u1U0
体験談としてはここまでなのですが、後日談として…。
その後、おばさんから経過の連絡もこず、状況も変わらないまま一ヶ月が過ぎようとしていました。
そして健二が失踪して約1ヶ月のちに、捜索した現場からそれほど離れていない、
道頓堀川(中之島公園の突端から下流へ100mほどのところから南へと分岐)で、
遺体が見つかりました。