洒落怖
近づく女

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すぐ横に駐在所がある。
奥の住居部分からたぶん駐在さんが出てこようとしてるようだった。
高鳴る胸を押さえ、体をわたわた震わせながら慌てて府道に出た。
ミラーの中にはもう何も見えない。
周りには他の車も走っている。
コンビニでコーヒーを買い、着信履歴を見てみた。
今度は母からの着信だった。
かけなおす。
「あ~、○○?あんた悪いけど、どっかで牛乳買うてきてくれへん?
 朝無いとお父さんうるさいし~」
「分かった。ありがとう」
「はあ?」
かまわず切って、牛乳を買いにもう一度コンビニに入った。

以後、伯母のところに行くときに峠を越えるのはやめた。
そして、母が伯母にそばに来てもらいたいと言い出したのに便乗し、
俺も引越しを強く勧めた。
今は歩いて5分のところに居る。

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近づく女