洒落怖
高生まれ

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312 4 sage 2009/08/22(土) 02:08:08 ID:uR/NQQDM0
「胸に出たのはグソー印(あの世の印)であんたの魂は久米島の門中
墓の所にいる。その魂があの世に行きかけている時はその印が出ていて、」
 息を呑むよう空気が漂う中、ユタは淡々と続けた。
「でもそれをあんたのひいおばあが、まだ来てはならないと引き止めて
いる。その時は印も消えている時・・」

 さらにユタは、
「あんた最近、車も買い換えたでしょう。何かおかしい事はない?」
と急に話題を変えた。それは僕にも思い当たる節がある。
 彼は二週間前に三菱ギャランに買い換えている。鮮やかな黄色は
初めて見る色でとても安く買ったと自慢していた。そして先日何気ない
話の中で、”先週、アパートの近くを走っている時、フッと途中から
意識が途切れ、気がついたら安謝の火葬場の前を走っていた”。
「その車は事故車で、助手席には今も女性が乗っている。あんた
だったらもしかしたら髪の長いその女性が見えるはずだよ」

313 5 sage 2009/08/22(土) 02:11:39 ID:uR/NQQDM0
 それからユタは一呼吸置くと結論めいたアドバイスをくれた。
「アパートは出た方がいい。車も買い換えたほうがいいけど、
出来なければ普天間宮あたりでお払いさせなさい」
 僕らはその日はそれぞれ兄弟の家に泊まり、翌日大家さんに別の
理由をつけて引っ越した。彼は2,3日後に車も買い換えた。

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