洒落怖
小学生の時の話

この怖い話は約 3 分で読めます。

596 小学校の時の話3 sage 2009/05/30(土) 00:37:58 ID:cnZZyZi+0
用水路に降りて進んで行くうちに先頭を歩いていた友人の一人が、
「なんか穴があるぞ!」と、突然言い進行を止めたので自然と列が止まってしまいました。
『なんだ?』と思い、最後尾からついて行くだけだった僕も前方をよく見たら、確かにコンクリートで固められた側壁に穴のようなものが見て取れました。
ゆっくり近づいて行くと確かにその穴は存在していたのですが、その穴は工事によってちゃんと作られたような物ではなく、
スコップや何か固いもので、掘るというよりも打ち砕いたような感じで作られた歪な形状をした穴だったのです。
「すげーなんだよこれ!」「この穴奥どうなってんだ?新発見じゃね?」
等と、友人たちは興奮がピークに達していたのですが、
僕はその穴を見た時からなぜかその穴の暗闇の中から誰かに覗かれているような嫌な感じがしていたので、『早く帰りたい』と思い、
再び友人たちの最後尾よりも二三歩後ろに下がって見物していました。

そうしていると、あろうことか友人たちはその穴の中に入らんばかりに身を乗り出して観察を始めたのです。
「おい、危ないって、やめよーぜ。」と、僕は制止を訴えましたが、子供の好奇心に火がついた状態にその言葉は無意味でした。
友人の一人が持っていた、発行する腕時計を明かり代りにその穴を観察している友人たちを横目に、
僕はその穴を見ているのが怖くなったので、穴とは逆方向の用水路から出るための階段方向を眺めていました。

597 小学校の時の話ラスト sage 2009/05/30(土) 00:38:47 ID:cnZZyZi+0
そうしていると突然に「うわあああああああああああああ」「いいいいいいいいい」と言う叫び声と共に
さっきまで穴に夢中だった友人たちが我先にと用水路の出口に全力で走って行ったのです。
「え?何?は?」と、僕は状況を理解できなかったのですが、この場の嫌な雰囲気と友人たちのあの行動から、
その場がとてもヤバいことだけは直感で理解できたので、僕も全力で階段のほうに走って逃げました。
僕は足が学校で一二を争うほど早かったのですが、全力で何かから逃げて行く友人達には追いつけず離されないようにするだけで精一杯でした。
友人達が階段を我先にと昇り、近くのコンビニの駐車場まで走ってようやく先頭の友人が止まり(半ば倒れるように)、追いつくことができたので、
友人が喋れるまで待ってから、「何があったんだよ、冗談だったらマジキレるからな」と、僕が状況説明を求めるのに誰も話そうとせず、
「言いたくない」の一点張りで誰も頑として喋ろうとしなかったのですが、僕もこのまま引き下がる訳にもいかず、食い下がったら友人が、
「穴の奥を覗こうとして中に二人で乗り込んだら、奥の方で真白な何かが動いていて何かと思って目を凝らしていたら
 凄いたくさんの人がこっちを向いてたんだよぉ」。二人目の友人もだいたい同じこと言ってたんです。
小学生ということもあり何かの見間違いという可能性もあるんですが、僕自身はあの穴は〝見てはいけない〟部類のものなのではないかと今でも思います。

この怖い話にコメントする

小学生の時の話
関連ワード