洒落怖
連続怪異

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589 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/10/23(日) 01:34:52.24 ID:SOHyQJE/0
このへんで断っておくけど、俺は心霊体験とは無縁の人生を送ってきたタイプで、「霊なぞおらん論者」。
それに対して熊田は「霊感あるで」と主張するタイプのクソ野郎。
霊感があるという割には心霊スポットに女といったりする奴なので、基本仲間内では誰も本気で信じてはいない。
それでなくともいじられ役なので、彼の幽霊話は滅多に真面目に議題にされることはなかった。

話を戻そう。対向車もない山道を淡々と進んでいた俺たちなのだが、車内は妙に寒かった。
風呂上り、東京から東北に来たばかり、季節の変わり目、夜中、雨、といくつも要因はあったのだが、
そうでなくともみなヒートテックを来て、もう一枚着て、パーカーやアウターを羽織ってるにもかかわらずやたら肌寒い。
我慢できなくなり暖房のスイッチを入れたとき、車内の静寂を切って熊田が口を開いた。
「ねぇ、言っていい?」ニヤニヤしている。
意味が分からなかった俺と佐藤は、「いいよ~」と適当に答えた。
すると熊田は「フロントガラスにさ、手形ついてるよね」といった。
確かに、助手席の俺の直線上見上げるような高い位置になんか跡のようなものがついている。
まぁ誰かが触ってついたのが残ってたんだろ、と軽く流す。外と中の気温差もある。いつもの熊田のハッタリだと思った。
熊田はまだニヤニヤしている。顔が気持ち悪い。

590 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/10/23(日) 01:36:49.17 ID:SOHyQJE/0
その頃あたり、もう山を下りて国道近くに出ていた。そして踏切で止まった時、「カンカンカンカンカンカーン」とサイレンの音がした。
運転していた佐藤は一時停止を終えてもサイレンが鳴ったので停止している。
どう考えても東北の田舎町で電車が走ってる時間帯ではないので、俺は貨物列車や回送の電車かなにかが来るものだと思った。
すると熊田が「なんで進まんの?」といった。俺と佐藤は「はぁ?帰れ」とかいった気がする。熊田は「え?え?」と焦っていた。
なので俺は「サイレン鳴ったやん」と説明した。
熊田は「いやいやいやいや、鳴ってないし。鳴るわけないし。」と結構真剣な顔で言った。

そこで周りを見ると、遮断機は下りないし、遠くまで見晴らせるが列車の気配はない。
むしろ電車来るならずっとサイレンって鳴り止まないものじゃね?と考えつく。
ちょっと怖くなり、みんなで「うわ~昼間適当に参拝したから罰かもな~」と変に盛り上がった。
そしてコンビニにつき、一服して買い物を済ませ、帰りの運転は俺になった。

591 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/10/23(日) 01:38:13.03 ID:SOHyQJE/0
俺も免許を取って日が浅かったので、暗い田舎道は運転が怖かった。
古いトンネルの前で謎の停車をしている車にビビったり、心霊ネタで盛り上がっていたのだが、
その日はハードで疲れていたので、みんな自然と無口になる。そしてまた熊田が言った。

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