洒落怖
連続怪異

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「もう一個さ、言っていい?」地味に声がマジだ。俺と佐藤が無言でいると、熊田は続けた。

「さっきの手形さ、よく見るとさ、足跡だよね?」

ハッとする。運転しながらだが、よく見ると手ではなく確かに足の形をしている。
車は4人部屋にいる友人のものだが、この旅行に合わせて車内も車外も綺麗にクリーニングしてきた。
そして昨日から助手席に乗っていたのは東北に詳しい俺だけだ。まず普通の体制で足が届く位置ではない。
というか俺はブーツを履いていたので靴下を脱いでいない。というか靴を脱いでいない。
そして雨の中の運転が多かったので、ワイパーを動かす機会も多く、外は綺麗なはずだ。
ということは中からついている跡、ということになる。助手席の佐藤はいやや~!!と絶叫して黙り、俺も無口になってしまった。
熊田は満足そうだった。腹立つ。

593 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/10/23(日) 01:40:43.38 ID:SOHyQJE/0
ぺンションに戻った俺たちは熊田以外テンションが低かった。4人はもう風呂をあがり部屋で待っていたが、
酒やつまみが俺たちの3人部屋にあったので急いで佐藤と取りに戻った。

するとまたまたおかしい、電気がつかないのだ。
正確に言うと、つくのだが常夜灯の明るさと消えたりを行ったり来たりの状態。
チェックインした時は普通についたのに。スイッチも一つしかないし、調節機能なんてない。
まぁ、電球が切れたんだろう、こっちの部屋は寝るだけだしいいか。と諦めることに。

冷蔵庫の代わりにと窓を開けて窓辺に並べていた酒を袋に入れる作業に移る。
すると突然、視界の外側、網戸の向こうに大きな白い塊が見えた気がした。思考停止。
視線を反射的に戻す。すると、あるのはなんか愛・地球博のモリゾーみたいな葉っぱの塊みたいな木?だけ。

「いま白いの見えた?」と佐藤に聞くと、奴は外を見ないように作業をしている。
さっきからの出来事が効いてるんだろう。俺は自分だけ見たのがすごく嫌で、必死に見せようとするが見ない。

嫌な予感がしてきたので、暗い部屋での作業をとっとと終わらせ、4人部屋に戻り、飲み会が始まった。
595 本当にあった怖い名無し sage New! 2011/10/23(日) 01:44:01.73 ID:SOHyQJE/0
夜もさらに更け、飲み会も終盤。

友人の一人が、「バックに入れさせてもらってた煙草の新箱とってくる」といったので、3人部屋のカギを渡した。
するとすぐ戻ってきて一言「電気つくよ?ていうかついてたよ?」と言う。

俺と佐藤は「は?」とアホ面をしてしまった。電気はカギをかけるときに絶対消した。
ていうかさっき電球死んでたろ。つくわけない。すぐ部屋に二人で向い、電気をつけてみる。

・・・つかない。むしろ常夜灯もつかない。なんなんこれ。
俺は初めて体験するわけのわからん出来事の連続に本気で怖くなってきていた。

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