洒落怖
声の主

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いくら母が虚弱体質といっても、どうにもおかしい状態が続いたある日。

「なんかねえ、どうにもあれさぁ、”繋がってる”感じがあるんだよ」

62 : 本当にあった怖い名無し : 2011/12/04(日) 03:13:13.91 ID:veGHgml+0
と、入院生活にめちゃくちゃ飽き飽きしていた母が愚痴でもこぼすかのように
つぶやきました。
曰く、例のあのキモチワルイ叫び声の主と限りなく細い糸で繋がってる感じがする、と。
なんとなく私もあのキモチワルイ叫び声の主が一連の原因なんじゃないかなあ、
とはおもっていたので「ああ、そっかあ」と頷きました。
頷いたところで、知り合いに霊的な対処法に強い人なんていないし(強い人は身内にいますが、払えない人なので)どうすることもできない
のですけれど。

考え抜いた末に、私は私自身が最強だと思っているのお守りを持っていくことにしました。
何かとお世話になっているお狐様を母の病室に持っていくことにしたのです。

64 : 本当にあった怖い名無し : 2011/12/04(日) 03:14:52.15 ID:veGHgml+0
といってもこのお狐様、社に入っているようなお狐様ではなく
(ちなみに屋敷守としてのお狐様も家にはいますが、今回はその方ではないです)
私が物心つくころから20ウン年間大事にしている、亡くなった祖母から貰った
狐のぬいぐるみなんですが。
このお狐様関連のお話はまあまあ結構あるのですが、それはまた機会があったときにでも。

とにかくその日、お狐様に「母さんが良くなりますように」とよくよくお願いしてから
お狐様をバックの中に入れて、母の病室に行き、徐にお狐様を取り出して「はい」と
母の左ひざの上に(布団の上から)乗せました。
母は「その子持ってきたの?」となにやら苦笑していました。
どうやら母は天狗様のほうを持ってくるのだと思っていたらしいです。

65 : 本当にあった怖い名無し : 2011/12/04(日) 03:16:06.52 ID:veGHgml+0
(ちなみに天狗様のお面をお借りしてくることも考えましたが
私は背が低くて神棚に祭ってある面に手が届かなかったのであきらめたという経緯があります)
なんやかんや世間話をしてる中ずっとお狐様を乗せておき、そろそろ帰ろうと
思い立って、お狐様を持ち上げた瞬間に、ゴロゴロゴロドォオオオンっていう感じで、
雷が落ち鳴り響きました。
びっくりして窓の外を見ましたが、雲ひとつない快晴です。

「・・・あれ?いま、雷落ちた?」

67 : 本当にあった怖い名無し : 2011/12/04(日) 03:17:25.18 ID:veGHgml+0
よね?と母を振り返りましたが、母はキョトンとして。

「え?別に?何いってんの?」

確かにあの時私はゴロゴロゴロという地響きのような音と、バリバリバリとも
ドォオオンともピシャアアアンとも聞こえるような、あの
雷がものすごい近くに落ちたときの音を聞いたというのに。
腑に落ちないながらも、まあ、たぶん、きっと気のせい。ということにして、
お狐様を胸抱え込んでお狐様の頭を2,3回撫でてからバックにしまいこんで帰宅しました。

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