洒落怖
金縛りの原因

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そのときAと娘さんが料理を持って戻ってきた。2人とも空気を察してかおとなしく座った。

286 235 sage 2011/05/27(金) 04:51:28.83 ID:sKFTW5xx0
「実は…あの子が亡くなって…変な話なんですが、夢枕に立つ事もあって…」
「それで…あの…○○さん(俺)の所にもご迷惑をおかけしていたんではないかと思いまして…」
俺は「あれ」の事を思い出していた。間違いない。そう思った。
「あの…」俺が話そうとしたその時
「女性やったら、幽霊でも大歓迎やんなぁw○○」Aは俺の言葉をさえぎるように笑いながらいった。
結構飲んだのかAは関西弁だ。
「…そうですね、迷惑だなんてとんでもないですよ」
俺は溜まっていた涙が落ちないように笑ってみせた。
ご夫婦も涙をこらえて笑顔をみせてくれた。
「さ、これ、食べてみてくださいよ。僕の自慢のry」Aが言った。娘さんが少しずつ紙皿に取り分けてくれた。

ゆっくり食べながら色々な話を聞いた。
長野の田舎の話
お姉さんがここに住んでいた時の話
妹さんが春から東京へ進学してきた話
ふとAが「ところでお父さん、ハイライト吸うでしょ?」と聞いた。
「えぇ」と応えると「やっぱり、家の親父もハイライト吸ってたんでニオイでわかるんですよ」
「でも、私、半年前に禁煙しまして…願掛けで…」
Aはカバンからハイライトを取り出して火をつけ言った。
「まぁ、えぇニオイではないですけど、これが僕の親父のニオイやなぁ」

292 235 sage 2011/05/27(金) 04:56:52.70 ID:sKFTW5xx0
娘さんとお母さんもちょっと懐かしそうにタバコのニオイを嗅いでいる。
Aはお父さんに1本勧めて、お父さんはそれに火をつけた。
ゆっくり吸い込み、吐き出した。
「久しぶりだと目にしみるな」と涙を浮かべながら言った。
お母さんも娘さんも煙が目にしみるのかうっすら涙が溜まっているようにみえた。
こんな時間もあっと言う間に過ぎて、この出会いも何かのご縁、再開を楽しみにしていますとお別れの時。
Aも駅までご一緒にと帰ってしまった。
Aには色々聞きたい事もあったが、聞くのは野暮なのかもしれない。
娘さんとお母さんで片付けまでしてくれて少し広くなった気がする部屋でAの置いて帰ったハイライトに火をつけてみた。
咽せた…

まぁ、そんな感じでオチはないんだよすまない。
大学時代楽しかったなぁっていうただの俺の思い出だ。

その後、妹さんがAの店に遊びに来て…なんて話もあるが、オカルトとは関係ないので端折る

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