洒落怖
金縛りの原因

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家に帰るなりAはすぐにビールを開けて飲みはじめた
「BとC待たないのかよw」
「待てない、俺そんなに待てない」
「アル中かよw」
軽口を叩いてはいたけど、Aは1浪しているので年齢的には一つ上で他の同級生よりも少し大人びていた。
少し近寄り難い雰囲気も持っていたが、逆に今はそれが安心感を与えてくれていた。
252 235 sage 2011/05/27(金) 04:01:52.16 ID:P8sJCdib0
しばらく2人で飲んでいるとBとCもバイトを終えてやって来た。
Aはすでに出来上がっていて、と、いうかすでに眠そうだった…
一通り4人で盛り上がっていたが、Aが「あかん、限界やぁ、何かおもろそうな事あったら起してぇ」
と、関西弁でワガママな事を言って眠ってしまった。
残された3人で深夜テレビを見ながら他愛も無い話をしてたんだけど、段々と口数も減りゆっくりみんな眠りに入っていった。
しばらく眠っていただろうか?
突然キーンという耳鳴りが聞こえる、体が動かない…金縛りだ…
つけっぱなしだったテレビの音が聞こえる。
俺はゆっくり目を開けてみる。
いる…ドアの近く、この間と同じ場所に…テレビの光で、少しだけ見える…女性だ…
叫びたいほど怖かったが声もでなかった。
その時、ガサガサっと音がした。何かが動いた。
Aが目を覚ましたのか上半身を起していた。
よりによってAはドアの一番近くで寝ていた…というか「あれ」のほぼ足下だった…
Aは「あれ」に気付いてないのかムクリと起き上がりドアから出て行った。
俺はまだ体を動かすことも声を出す事もできなかった。

257 235 sage 2011/05/27(金) 04:15:01.55 ID:P8sJCdib0
トイレの流す音とドアを閉める音が聞こえてAが部屋に戻ってきた。
戻ってきたAは暗がりの中でタバコを吸い始めた。
タバコを吸わない俺たちに気を使ってか、部屋のドアをあけてキッチンの方に煙がいくように…
ゆっくりとタバコをふかしていたAは火を消すと、テレビも消してゴロンと寝転がったようだった。
その瞬間ふっと俺の体が軽くなるのが解った、と同時に気を失うように眠ってしまった。
翌日の朝、Bの携帯の目覚ましの音で目を覚ました。
目を覚ますと部屋にAは居なかった。
昨晩の「あれ」の事を思い出し、ヤバい事になったか!?と思ったが、すぐにAは見つかった。トイレで…
ただの二日酔いで吐いていた…
昨晩の事を3人に聞いてみたかったが、何も言って来ないのできっと何も感じなかったんだろうと聞くのはやめた
BとCは午前中の授業から出席するというので先に出て行った。俺たちも昼からは行くと約束をした。
だが、俺とAが2度寝から目覚ましたのは夕方だった…

262 235 sage 2011/05/27(金) 04:26:14.48 ID:P8sJCdib0
夕方、目を覚ましたAはやけに元気で
「アダルトなビデオが見たい、お前どこに隠してんだよ?」といいながら家捜しを始めた。
「隠してねーよ、そもそもAVはネットで見るから」
俺はホントにAVなんて持って無かったし、Aに見つかって困る物も無かったので放っておいた。
Aは備え付けのクローゼットの中まで探索していた。
「あっ!」
「え?何」俺は聞き返した。
「これお前の?」と言ったAの手には見覚えのない木製の綺麗な箱があった。
「いや、見た事ねーよ」
Aはためらうことなくその箱を開けた。中には小さなアクセサリーが入っていた。
イヤリングやネックレス、宝石には疎いのでどれくらいの価値があるのかはわからなかったが…
「これ、どこにあった?」俺はAに聞いてみた。
「あのクローゼットの天袋?っていうのかな、ちょっと屋根裏っぽいところ。中学生がAV隠すには調度良さそうなry」
「だからAVは隠してねーよ、っていうかホントにこれ俺のじゃないんだけど」
「じゃ、前の住人の忘れ物じゃねーの?不動産屋に聞いてみたら?」

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