洒落怖

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私は太平洋に面した町に住んでいます。この町は海と山に挟まれた
狭い平地にあって、夏もそれほど暑くないし冬も多少暖かい住みよいところです。
団地の5階にある私の家からは海も山も見えて、とても気に入っています。

喫煙者の私はだいたいは南側に面したベランダから海を眺めながら
タバコをふかすのですが、夏・冬の冷暖房がほしい時期は、北の山側にある
台所で換気扇の下で一服することにしています。
特に今年の夏は異常に暑く、毎晩のように台所で換気扇に煙を吹きかけていました。

そしてある夜、タバコを吸いながら何気なく山の方に目をやったとき、
私は驚いてタバコを取り落としました。

山の中腹に巨大な目が一つ、私の方を見ていたのです。他の建物と比較すると、
その大きさは幅数百メートルに及んだと思います。

叫び声を聞いてかけつけた妻の方に目をやり、山を指さしながら再び
そちらに目を向けると、それは消えていました。

妻には笑われましたが、私はその目の情景がどうしても忘れられず、
それ以来台所でタバコを吸うのをやめて、ベランダで吸うことにしました。

そして昨夜。海の上に見える月を眺めながらぼーっとタバコを吹かしていたとき、
黒い海の上いっぱいに、巨大な目がまぶたを開くように突然現れました。
今度は目を離さないように妻を呼んだのですが、数秒後にはその目は
まぶたを閉じるように消えてしまいました。

なんだかもう全然意味不明なのですが、私の行動にあわせて現れたり消えたりする
その目は、いったい何なのでしょうか?
ちょっと病院に行くべきかどうか考えているところです。

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