洒落怖
うざい客

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これは去年の話なんだ。
キャバクラで働く女の子におきた本当の話。
その子は20歳になったばかりで、大学に通いながらキャバクラで働いてるという、よくいる女子大生キャバ嬢だった。
その当時、横浜にあるキャバクラのヘアメイクをしていて、その時聞いた話なんだ。

「最近、ウザイ客につきまとわれてるから、やめよっかな~」
よくある事だと思った。
お店の子達は、お店側(ボーイさん)でもお客でもないヘアメイクには、話がしやすいようで、女の子の愚痴や相談ごとなどはよく聞いていた。
その子(仮にAさん)の話を聞くと、先輩キャバ嬢を指名してきている社長さんの部下にAさんがついていて、その人が粘着質なお客だということだった。

粘着質なお客はよくいるらしい。ただ、「ありえないんだよ。」とAさんは言っていた。
ボーイさんにも相談したそうだが、自分が管理できないのが悪いと言われ、真剣に聞いてもらえなかったそうだ。
それから2日くらい後。
Aさんが店長と言い争いながら、泣いているのを目撃した。
その後、メイクを直し、髪型をどうするか聞いている間も、いつもの明るさもなく別人のようだった。
その時聞いた彼女の話によると。

2日前に家に帰ると、玄関のドアノブに袋がかかっていて、その中に、男性の局部の写真とプーさんのぬいぐるみが入っていたそうだ。そして、プーさんのぬいぐるみのおなかの辺りが裂けていて、その中から精子らしい液体が流れ出ていたとのことだった。
直感的に、その粘着質のお客だと思ったとのことだった。

そして昨日、休みだったAさんは友達と買い物に行く約束をしていて、駐車場に停めてあっった車に乗ろうとすると、また、同じ紙袋に、今度はAさんの下着が入っていたそうだ。
その下着の中に、ぐちゃぐちゃになったAさんの写真と今度は血まみれになった剃刀がはいっていたということだった。

「もうやめるから、これが最後になるかもね~」
Aさんのメイクをしたのはその日が最後だった。

742 本当にあった怖い名無し 2010/09/07(火) 11:22:47 ID:Jq6qvCL80
続き・・・
次の日、自宅で自殺していたAさんを発見したのは、新人のボーイさんだった。
出勤確認の電話に出ないAさんを心配した店長さんが、そのボーイさんに寮まで迎えに行かせたところ、
ドアノブで首を吊ったAさんを発見したということだった。身近でしかも、ほぼ毎日会っていた子が突然亡くなるのは、なんともいえない感じだった。

葬式の後、店長さんから飲み会の席で話を聞く機会があった。店長さんが言うには、そんな客はいなかったということだった。そして、Aさんは時々ありもしない話をしていたそうだ。
「よくあることだよ・・・。」といっていたのがとても印象的だった。
都会の一人暮らし、マンション、孤独。現代社会において、他人との接点を感じることがすくなくなった今。
コミュニケーションをとる事に不慣れな世代の中で、孤独感。
注目を浴びたいという願望、羨望、希望。それが最終的には死を選ぶ時代に儚さを感じた・・・。

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