洒落怖
乗せてくれ

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もう15年ぐらい前の話ですが
郊外の大型店へ買物に行った帰りの事です
沢山買物して大満足だった私は鼻歌を歌いながら車で帰路を進んでいました
信号で停まって、ふと目をやると歩行者と目が合いました
彼は同じ年頃の男性で、ニコニコ近づいて来て窓を開けろとジェスチャーしました
今思うととても無用心なのですが、何?と10㌢程窓を開けたら
にゅーっと腕を入れ、ドアロックを外そうとするのです
びっくりして 大声を出したら
『ごめんごめん。車のナンバー見たら尾張小牧だったからさ、小牧の駅まで乗せてってくれよ』と言うのです
ちょうど信号が青になったのど『急ぐからダメ』と言って窓を閉めてさっさとその場を逃げました

ミラーでみたら、何か怒って投げていてめちゃくちゃ怖かったのを覚えています。
で、家付近の信号でまた停まったら、またあの男が窓をノックするのです
名古屋市は当時流しのタクシーも多かったから、後を付けてきたのでした
車から降りろと怒鳴りまくっていて、無視したら良いのに何故か私は車を脇に寄せて降りてしまった。
今思うとその行動の理解が絶対できない
彼は 『やはりお前は小牧駅を通ったじゃないか 何故乗せてってくれなかったのか?』と怒っていた
私はパニックを起こしながらもこの車が父親のだというのを思いだしていました
『すみません。これ父親の車で、他人を乗せるなといつも言われている』となぜかそう言ったら
『なぁ~んだそうか!早く言えよ!タクシー代損したなぁ
その分何かおごってくれよ』
と言うのです
また私はパニックを起こしながらも
『母親から他人にはおごったりおごられたりするなって言われてるからだめなんです』と言った
すると『お前の家はうるさそうだな。車に乗ったらナンパして、どこかのホテルでにいって泊まろうと思ったけど、そんなにうるさい家ならだめだな。で、お前は処女か?』と聞いてきた
『はい。そうです。母が帰りが遅いから凄く怒ってるので、もう帰らせて下さい』
と言ってみた
そしたら手を高く挙げて『気をつけてな!処女は大切にしろよ』と言いながら歩いて去っていった

今思うと本当に恐い基地外だった。
書いていてもこんなおばさんになってからでも思いだすとめちゃくちゃ恐い

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