洒落怖
夢魅

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人の脳を凝縮し、人骨の灰と血を混ぜ凝縮した脳に塗り固め、漆に宗介本人の血を混ぜ、一塗りする度に自分の体に傷を付けて行きました、一塗り一塗りに最上級の憎悪を込めて、決して憎悪を減らさないように体を傷付けてまで、そうして「玉」は完成しました

僧侶は「夢魅」と言う外法だと言いました、どこで宗介が知ったかはわからないがとても危険な邪法との事でした
この「夢魅」にも完成度と決まりが有り、完成度は見た目の輝きで決まりは必ず4つ作る事でした

低い順からの玉、「肆の玉」「参の玉」「弐の玉」そして最密度、最高完成度の者を「壱なる玉」というとの事です

54 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:32:54.81 ID:YSGKGk/pO
僧侶と人形技師は直接呪いのかけられた集落の者ではない為、「壱なる玉」と「弐の玉」は影響が強すぎる為持てないとの事でした
僧侶は札を貼った2つの桐箱を渡し、絶対に一目につかない場所に保管し絶対に開かない事を約束させ、僧侶と人形技師は「肆の玉」「参の玉」を持ち集落を去りました

僧侶は故郷に帰り寺に地下を作り、人形技師は倉に地下をそれぞれ作り決して出さないように隠し生涯封印してきたのでした

55 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:34:32.66 ID:YSGKGk/pO
私はそこまで聞き終わり一息つきました

一気に話された事を頭の中で整理し、自分自身でわかった事をわからない事を祖父ちゃんに聞きました

私 「つまりあの廃寺が僧侶の寺で地下が「夢魅」を隠した場所だったわけだろ?なら人形技師の倉も近くなのか?」
祖父「ああ近くだ、っていうかその人形技師が俺の何代も前の先祖ってわけだな」
A 「えぇっそうなの?てか言えよ」
祖父「お前に言ってどうにかなるか?」
Aは拗ねたように黙りこんだ
祖父「あの離れの倉が例の倉だ、しっかり毎年鍵を変えて補強してるから安心しろ」
祖父「あの寺も廃寺になる時に坊主にしっかり管理して、持って行けと言っただがな、怖くなったんだろうな…」
何故か自分自身の不始末のように祖父ちゃんは暗い表情でした

56 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:36:39.31 ID:YSGKGk/pO
A 「てか、廃寺の「夢魅」はどうなるんだ?祖父ちゃんが2つ持つのか?」
祖父「いや、2つ同じ所には保管出来ないし、今は桐箱を作り直して札を貼ってるし、知り合いの住職に頼んであるから心配いらんぞ」
皆、安心して一息ついた所でずっと黙ってたEが口を開いた
E 「あのKは…命が助かったら元に戻るんですよね?」
祖父「いや、気の毒だか、命が助かってもどうにもならんな、あれから逃れた術は聞いた事がない」
E 「そう…ですか…」
Eはそう言って小さく泣いていた

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