洒落怖
夢魅

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47 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:20:19.62 ID:YSGKGk/pO
狂人と化した宗介は悍ましい事を考えた、夢は頭の中で見る物、ならば頭の中を直接見ればいいと
普通に考えればまるで意味の無い事だが、狂った宗介にはそう考える自体に意味が無かった、ただひたすら夢だけを考え追い求めた

旅人を襲い、狩りに出た集落の人を襲い、頭を割り脳を取り出し家で食い入るように見続けた

そして10日が過ぎようとしたある日変わり果てた宗介が屋敷に現れ、一つの「玉」を差し出した
これがあれば色夢など消え、更に良い夢をだけを見れると言い残し宗介は去っていった

宗介の言い残した通り娘に「玉」を持たせると、色夢などあっさり無くなり、自分に取って都合の良い夢ばかり見るようになった
これを良しとし、宗介を許し、全てが丸く収まったように思えたが、もちろんそれでは済まなかった

一週間も経たない内に事は起こった、Kのように一人娘は自分の体を傷付け自害したのだった

49 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:23:41.72 ID:YSGKGk/pO
その異様さに長は宗介が渡した「玉」が原因と思い探したが「玉」は一向に見付からなかった
宗介も集落から姿を消し一向に行方は掴めなかった

そして本当の悪夢が集落を襲った
集落全体「玉」が見せる夢が感染し始めた

皆一様に都合のよい夢を見て、ある程度の期間が来たら一人娘のように体を切り刻み自害した
長は畏れた、これは宗介が起こした呪いだと…

50 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:24:23.70 ID:YSGKGk/pO
呪い等に全く知識の無い人々は夢を畏れ、次は自分かもしれないと夢を見る事を避けるように眠れない日々を過ごした

そんなある日集落に旅の僧侶が乞食(こつじき)に来たが、集落の状況を察知し長の屋敷に訪れた
長から事情を聞き、恐らく「玉」を見つけどうにかしない限り、この状況を切り開く術はないと告げました

僧侶は長と集落の者数人を引き連れ宗介の家へ向かった
宗介の家は一度調べたと言ったが、間違いなく「玉」は家にあると僧侶は言い、宗介の家を調べた

やはり何もないと思われたが、僧侶は床下を掘ってくれと言い集落の人、数人で床下を掘った結果、大事そうに4つの「玉」を抱える腐乱した宗介の死体が見つかったのだった

僧侶は禍々しく光る「玉」を見た瞬間に吐き気を抑えるように口を抑え皆にこう伝えました
僧侶の友人の人形技師に至急来るように伝えてくれと、それまでこの家に誰も近付けてはいけないと
そして数日が経った晩に人形技師が集落に訪れ、僧侶と話し、宗介の家に入って行きました
明くる日の朝二人は家から出てきました、4つの桐箱と共に

51 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/01(火) 09:30:07.28 ID:YSGKGk/pO
そして僧侶は宗介の家で行われた事を「玉」がどのように作られたかを長達に話しました
それは悍ましい所業でした

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