洒落怖
いわく付き

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拾ってきた当初、その像は無表情に近い顔をしていて、感情を読み取れるようなものは
何も無かったが。ふとご先祖様が像を見てみると、明らかに「ニヤニヤ」という感じの
笑い顔に表情が変わっていたとか。
更に不気味な事に、像の足元辺りから上のほうへ、まるで血管のような赤い線がいくつも
伸び始めてきていた。

当初は「気のせいだ」と見なかった事にしていたご先祖様だが、その血管のようなものが
人が死ぬたびにどんどん上のほうへ広がっていくのを見て、これはもう手に負えないと、
当時のお寺の住職に持ち込んだらしい。
金で出来ていたので、手放すのが惜しかったというのもあるだろう。

52 本当にあった怖い名無し sage 2009/05/24(日) 04:15:04 ID:B3+fEFe10

当時の住職は、像の噂は聞いていたが一度も見た事は無く、その日初めて像を見た
らしいが、一目見て「これは危険なものだ」と感づいたらしい。
像が何のために作られ、どうやってこの村へやってきたかは解らない。しかし、相当に
危険な呪物である事は間違いが無く、このまま放置しておけば村が全滅しかねないほど
危険だったため、当時の住職はすぐにお払いの祈祷を始めた。

しかし、祈祷を始めてから数時間後。
その住職は両目両耳から血を流して、恐怖に歪んだ表情のまま死んでいるのが本堂で
発見された。
死因は不明。
ただし像が何らかの形で関係しているのは間違いなかった。
なぜなら、祈祷をする前には腰の辺りまでしかなかった血管のような模様が、一気に首の辺り
にまで達していたから。
それを見た村人たちは、これはもう手に負えないと像をどこかに捨てる計画を立てて
いたらしいが。次に本山からやって来た住職が、「一度に御払いをするのは恐らく危険すぎて
無理だろう、お寺で災いが外に漏れぬよう保管をして、何代もかけてゆっくり穢れを浄化する
しかない、捨てて解決できるようなものではない」と村人達を説得し、現在まで少しずつ
祈祷で呪いを払いながらお寺で厳重に保管されてきていた。

長くなってしまったが、ここまでが和尚さんが俺達に話した盗品に関する「いわく」の話。

53 本当にあった怖い名無し sage 2009/05/24(日) 04:15:47 ID:B3+fEFe10

和尚さんは続けてこんな話をし始めた。
ここ数年(当時で数年なので今からだと10年ほど前)、お寺や神社の宝物庫への
窃盗事件が増えており、どうも大半が外国人の窃盗団によるものらしい。
ここで問題となるのが、最初に書いたとおり、「問題のある品物」を便宜上宝物庫と
呼ばれている場所に保管しているお寺や神社はここ以外にも多数あり、そういった
品物がやはりあちこちで盗まれているとか。

当時から少し2ちゃんをやっていた俺はコピペなどで情報を得ていたため、「ああ、かの国の
窃盗団だな」とすぐに解り、和尚さんに聞いてみたが、曖昧な返事しかしてくれなかった。

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