洒落怖
いわく付き

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50 本当にあった怖い名無し sage 2009/05/24(日) 04:13:07 ID:B3+fEFe10

今回盗難事件にあったのは、要するに「いわく付き」の品物がある倉庫の方だった。
泥棒は、警備の厳重なほうに価値があるものがあると考えたのだろう。
「いわく付き」の方の宝物庫は「外に出してはいけない物」がいくつもあったので、
本来の宝物庫よりもずっと施錠などが厳重だった。
盗まれた「いわく付き」の品物2つの説明をすると、一つは一振りの日本刀、もう一つ
は金でできた仏像らしい。
俺は「なるほど、売れば高そうだな」と思った。

刀のほうは俺の一族とは無縁なため、説明は大雑把にするだけにするが、
これは和尚さんの先代が住職を勤めていた頃、男の人が「とにかくこれを引き取ってくれ」
と持ち込んだもので。当時の住職は「許可が無いと犯罪になってしまうから」と断ったが、
無理に押し付けられるような形でその男の人は置いていってしまったのだという。
その刀は、和尚さん曰く「専門家でないから価値はわからないが、相当に古いもので、
なぜか銘の部分が削り取られていた」らしい。

ちなみにこの刀は、「所持していると自分が人を切り殺す夢」を何度も見てしまうという
もので、持ち込んだ男の人は「そのうち自分が人殺しをしてしまうのではないか」と不安
になり持ち込んだとか。
ちなみに住職はその話を信じていなかったが、引き取ったその日から本当に自分が刀で
人を切り殺す夢を何度も見るようになってしまい、これは大事だと「いわく付き」のほうへ
保管したとか。
銃刀法関連は、当時の住職が警察と話し合って、詳しくは知らないがどうにかなって
今までお寺に保管されていたらしい。

そしてもう一つの金でできた仏像。
これが俺の一族に関係する物だった。
ちなみに仏像と呼んでいるが、実際は和尚さんがいうには「今までこんな形の仏像は
見た事が無く、便宜上形が似ているためそう呼ばれていただけ」のもので厳密には
仏像ではない。

51 本当にあった怖い名無し sage 2009/05/24(日) 04:14:01 ID:B3+fEFe10

この仏像という像は今から150年近く前、俺のご先祖様が地元で起きた大洪水の翌日、
土石流の片付け中に泥と瓦礫の山の中から見つけた品物で、金で出来ている事や
見た目が仏像に似ていることから、何かありがたいものであろうということで持ち帰り、
そのまま家の仏間にかざっていた。
和尚さんが言うには、洪水で山の上のほうから流れてきたのではないかとの事だった。
(ただし俺の地域は元々山深い場所で、俺の住んでいた地域より上に村などは無い)

その像を持ち帰ってから数日後。
あちこちで異変がおき始めた。
始めは家で飼っている猫や家畜が謎の病気で死にはじめ、それはご先祖様の家だけ
でなく周辺の家々でも起き始めた。
更に暫らくすると、子沢山だったご先祖様の家の子供が次々と死に始め、10人いた
子供がたった半年の間に3人にまで減ってしまった。
当初疫病かと思われ、村で様々な対策がされたらしいが何一つ効果が無く、ご先祖様
の家以外の子供が死に始めた頃、その金の像にある異変が起きている事に気が付いた。

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