短くて怖い話
般若の面

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高校生だった頃の暑い夏の夜
誰かに追いかけられ逃げ惑う夢を見た
発狂しながら走っているうちに、真っ赤な鳥居がたくさん連なる細い道に出た
その道を進んでいると、いつの間にか和楽器の鐘と太鼓の音が交互に聞こえてきて
音の間隔が狭くなりほとんど重なった時、突然静かになり大きな社が目の前に現れた
なぜかその場で動けなくなり直立不動で社の引き戸を見ていると、音も無く戸が開いた
そこで目を覚ましたのだが、なんと顔の前に般若のお面があったのだ

私は叫び声をあげ、その後はまったく覚えていない。たぶん気絶したのだろう
朝になりお面も含めて気持ち悪い夢を見たと、目覚めの悪い頭を抱え障子を開けた
私は2階で寝ていて窓を開けると下に庭が広がってるんだけど
ちょうど庭の真上、私の目線の高さに夜中に部屋で見た般若の面が浮いていた
私は障子を閉め混乱した頭で目をこすり、もう一度障子を開けたがもう奴は居なかった

後で聞いた話、家の近くの観光名所にあるお寺に古いお面コレクションがあって
その夢を見た丁度その頃に般若のお面だけが忽然と姿を消したという

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  • とんぼ より:

    私は現在60歳になる初老の男性ですが、田舎に住んでいた私が幼稚園の頃に実際に体験した話です。季節は秋も深まった夕方、私は畳の部屋でうたた寝をしていた。離れの台所から晩御飯の支度の音で目が覚めて周りを見回すと真っ暗な部屋に自分ひとり。もうこんな時間かと何気に明かりが漏れている台所に目をやった。
    障子には、台所の明かりがうっすらと灯っている。そこに黒い影がこちらをじっと見つめている黒く長い顔のようなものが微動せずにこちらをじっと見ている。障子の向こう側は長い廊下しかない。年数もかなり経過した日本家屋で、かなり老朽化した家。米も鉄窯で炊いていた時代。なぜか、幼かった自分はその状況を恐れもせずに見送った。それから暫くして、体格のいい叔母が、珍しく着物を着ていた。着物の帯に何気なく目をやった瞬間寒気が全身に伝わった。小さな般若の面を帯隠しにしてあった。何日か前に障子の影に映った影の正体がこの般若と同じものだと判ったからだ。思えば長い顔に長い角、間違いなかった。1か月後たったある夜、自分の体に何かが入ってきた感覚があり唇が震えだし、体が硬直し、気が付いたら家の外に飛び出しそうになって父親があわてて、私の体を抱き止めたそうである。それから毎日なぜか夜決まった時間になると、同じ症状が起こり始めた。自家用車に父が抱き止め乗せると落ち着いたそうである。大学病院で脳波検査した結果、多少の異常がみられるので経過を見ましょうと診断された。この状況が1か月近く続いた。父は5年後に他界したが、この家には過去に2回ほど洪水で遺体が流されてきたこと.裏庭で沢山食用の鶏を殺したこと。家の二階の使ってない古い部屋に古い日本刀を置きっぱなしにしていること。これと、風に紛れて女の声が2階の使ってない古い便所から聞こえて、自分と従妹は階段から転がり落ちたことを覚えている。それから、3年後に他府県に引っ越した。それからは、体の変調は全くなくなっていた。現在はこの家は廃屋になっていて殆ど家の形もなくなっている。あの家には何かいたのか。今となってはわからない。

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