山の怖い話
山小屋の話

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外に出る為にその男の横を通る際、男の目をみてかなり萎縮してしまった。多分白内障なのだろうが方目が白い。
これで見えてるのか?と言うぐらいに。
257 235 sage New! 2007/09/13(木) 23:19:42 ID:9+35Nh+E0
外に出た後に成すすべなく立ち尽くしていたが、真っ暗闇の怖さで不安になり、皆急いで懐中電灯をつけた。
懐中電灯をどこに照らすべきか分からず、足元に照らし「どうする?」と話をしていると小屋から再度怒鳴り声が聞こえた。
「おい、こら!おぉ?お前ら出て行けって言ったやろうが!聞いとるんか?おい!」と叫んでいる。
何が起きたか分からずに他に足りてない友人が居ないか、誰か小屋に残ってないかを確認するも
その場には友人全員がいる。
「おっまえら、人様をなめとるんか!?あ~!?」と怒鳴る声は続く。
『女やけって、容赦せんぞ!!!!』 と男が叫んだ瞬間に俺を含めてその場に居た友人数人は腰を落とした。
Aが「え?今なんて言った??」と誰に聞くわけでもなくボソボソと言う。その瞬間に又男の怒鳴り声。
「あー???知らんわー。てめー誰に口答えしよるんか!こら!『女でも俺は殴るぞ!』」と再度はっきりと言った。

俺達は男同士で行っていた。女は一人も連れてきてない。
それにも関わらずあの小屋では男が『女』に向かって怒鳴ってる・・・。

二重の恐怖に足がガクガク震えて、どうすれば良いのかと考える余裕もなく、
動けずにただただその場で友人と目を見合わせてるのみ。多分一人が逃げればそれに続けるのだが
誰も先頭に立って逃げる勇気も無い。
少なくとも俺はさすがに真っ暗闇を先頭に立って照らしながら逃げる勇気は無かった・・・。
ただ、次の言葉が聞こえてさすがに全員一斉に逃げた。
『まゆみぃー!???だれじゃ、ぼけ!しらんわ!!!』と男が言ったから。
最初、名前と思わずに何を言ったか全く分からなかったが言葉の端や流れから頭でゆっくりと
『まゆみ』と言ってるのでは?と理解した瞬間に体がビクッとなり、
『まゆみぃや、いうのは知らんっち言うとろうが!』と再度はっきりと聞こえた瞬間に
全員ほぼ同時に逃げた。
259 235 sage New! 2007/09/13(木) 23:23:51 ID:9+35Nh+E0
Bは「ありえん・・。ありえんやろ・・。」と泣き声を上げながら逃げていた。
小屋からかなり離れたところで足が遅いAを待つ為に全員がとまり、
Aが「はぁ、はぁ。ちょっと、ちょっとまって。」と言いながら追いついた。
そこで、全員が再度息を整える為に少し休んで居ると
Bだけがボソボソと「まゆみって誰なん、誰なん。まゆみって何なん。」と繰り返す。
さすがに俺も怖い為に「おい、今はそんなん言うなよ。後で話し聞くけん。頼むけ、今は言うなよ。」
と言うもBはずっとボソボソと独り言を続けていた。その後、息も整い少しずつ落ち着きを取り戻し
山を下る事に。下りながらも後ろが気になり、少しの音にも敏感になっていた。
さらに下って行くと道の端に地蔵があり、下の街の光も見え始めた。
下の街の光が見えてかなり安心感を取り戻した俺達は地蔵に
「呪われませんように」という願掛けの為に皆で立ち止まり手を合わせていると
「それ、地蔵じゃないんやね?。」と友人のDが言った。
「それ、地蔵やけど、守護系じゃないんじゃね?」とオドオドしながら言い出す。
「え?知らんけど、地蔵って何かを守ってくれたり厄除けになるんやないん?」と聞くと
「たぶん、厄除けとかにはなるかも知れんけど、これ身代わり地蔵なんかね?大丈夫なんか?」と言いながら
Dは少しずつ後ずさる。「なんか、怖がらすなや。十分びびったやないか。」とAがDに怒鳴ると
Dが「それ、足切り地蔵やん。足の付け根から切られとるやん。」と言ったときに全員が一斉に地蔵の足をみる。
263 235 sage New! 2007/09/13(木) 23:32:21 ID:9+35Nh+E0
確かに右足の付け根が不自然になくなっている。その横に立っていた数本の風車がいきなり吹いてきた風に反応し
カラカラと回りはじめた。そのカラカラと音がなりながら回り始めた風車に目がすーっと引き込まれる。
その風車の下に『まゆみちゃん』と文字が見えて一瞬にして背筋に寒気がもどった。
その後直ぐに走りだして、下の道路まで逃げてきた。山から抜け出しアスファルトの道路をみて安心を取り戻した。
息を整えて全員で一番近いAの家に向かおうと決めて、道路沿いを歩き始めた。
時間は夜中の2時で辺りはかなり静かで車も通ってない。
のにも関わらず、
反対側の霊園の歩道を俺らとは反対に向かってくる人影を見てビクっとし再度走り始めた。
その歩いてる人影をはっきり見たわけではないけど何故か女の子の様な錯覚をした為
鳥肌がざわざわと立ち「見るな、見るな」と怖さから呟きながら逃げた。

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