洒落怖

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少し勇気がいったが、その引き戸を開けて見ることにした。
ここまで来たら調べないと気が済まなくなっていた。
「すいませーん、誰もいませんね!?」ともう一度確認してから
恐る恐る引き戸を開けると、中が意外にも明るくてギョッとした。
採光窓のようなものが上部に無数設けてあるらしく、入口側のこちらの空間よりも明るい。
しかし、その部屋が、明るいだけでなく異常なものであることにすぐに気がついた。

218 : 7/9[sage] : 投稿日:2013/03/07 23:11:02 ID:bthiYXPN0
まず、とにかく広い。
まさに体育館くらいの広さがあった。そしてその広い空間の中に均等に5本
異常に太い柱が地面から天井まで伸びていた。この太さが本当に尋常ではなく
直径3mくらいある1本の木の柱で長さが10m以上あるのだ。それが5本。

「おいおい・・・こんなでけー木って日本に存在すんの?」
Kの言葉ももっともだった。こんな太い柱見たことがない。何の意味があって
こんな柱を立てたのか、と周囲を見渡しているときにKが「あっ」と声を上げた。

見ると、5本あるうちの真ん中の柱に、何か書いてある御札のようなものが
釘(といっても一般的な頭のある釘ではなく、先の尖った鉄みたいなやつ)で打ち付けてあり
それが大量に柱に打ち付けてあった。字は毛筆で、漢字のような記号のようにも見えたが
なんて読むのかはわからない。するとKが「何かくっついてるぞ」と言ってきた。
よく見ると、確かに御札と釘の間になにか干からびたカタマリのようなものも一緒に打ち付けてあった。
何が一緒に打ち付けてあるのかな・・・と、俺とKはほぼ同時に上を向き、ほぼ同時にその答えを目の当たりにした。

打ち付けてあったのは、人間の耳だった。
おびただしい数の人間の耳が、御札とともに柱に打ち付けてあったのだ。
下の方のものは腐り落ちたり干からびたりしてわからなかったが
何故か上の方に打ち付けてあるものほど新しく、人間の耳だと認識できた。
おそらく数は1000じゃきかなかったと思う。しかも恐ろしいことに、
そんなに時間が経ってないように見える耳も上の方にあるのだ。

219 : 8/9[sage] : 投稿日:2013/03/07 23:11:40 ID:bthiYXPN0
「やべえ!!」
「うわああああああああああ!」
俺とKは猛ダッシュでその部屋から出て、入ってきた入り口からも出て
建物の外に出た。ここがどういう場所なのかはわからない。しかしヤバイことは確かだ。
すぐに車で逃げ出したいところだったが、そうだ、Sがいない!
確か建物の外を周ると言っていた。裏側にいるのかもしれない。
俺とKは全力で走り、建物の裏側へ回った。でかい建物なので、回りこむだけでもそこそこ時間がかかった。

裏側へ回ると、そこにSはいた。いたのだが、様子がおかしい。
ボーっとその場に立ったままだ。そして、次の瞬間、俺達もその場に立ち尽くしてしまった。

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