占い・おまじない、呪い
路地裏の占い師

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路地裏に占い師がいたんだ。

最近ついてないから占って貰おうと思い、近づく。
良く見ると、自分でも何故占い師だと思ったのか分らないほど普通の人だった。

「占ってくれませんか?ぼくは何をしたらいいんでしょう?」

すると、やや間があって・・・
「例えば、一秒先のことを予測するのに、一秒かかっては意味がない。
だから、私はあなたをすぐに変えてしまうことにする。
ところで、川が流れるのは上下の勾配があるからなのだけれど、時間は何故ながれていると思う?」
こうのたまった。
まったく意味がわからず、いぶかしげに占い師の顔を見ていると、
「既知と未知がその勾配なのさ。未来を知った人間はどうなるのかねぇ」

あの後、どうやって家まで帰ってきたのか覚えていないのだけど、
その後何をするにも成功ばかり。
幸せかって?

最近、気持が悪いのが治らなくって、病院にいくことにするんだ。

そしたら

離人症なるものになっていたらしい。全く意味がわからなくなるということだ。

もう、息子も妻も愛せないんだ、どこか冷めていたんだ。

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