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おじゃま道草

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約束の正午に茅野君が現れ、私たちは3人でB宅(管理人注釈:馬場君宅)へ向かいました。
私は、例の猫が気になっていたので、途中、鰹節のパックを買っていきました。
馬場君宅へ着くと、ちょうどバンドの練習中でした。すぐに終わると言ので、待つ間に建物の周囲を調べることにしました。
林が切り開かれ、宅地として分譲された場所のようでは在りましたが、、
近くには古そうな農家が点在しています。
「わざわざ、木を切らなくても農地があるのになぁ」
私はだんだん土地の成り立ちが気になり出しました。
そして、しばらく歩き回るうち、
「ん? 水の気配がする、、、」
池か井戸か、、溜まった水のようです。場所は限定できませんが、どこかにあったと思われます。
そのうち、馬場君宅が静かになり、女の子(船井さん)が呼びに出てきました。

中へ入ると、まず、使わない皿を2つ貸してもらい、1つには水を入れ、もう1つには鰹節をのせました。
猫の気配がもっとも多い階段の下に、それらを置きました。
そして、しゃがんで手を合せると、
「ここにとどまるな、去りなさい、、、、」
と念じました。

それから5分位後でしょうか、、、練習室でお茶を飲んでいると、廊下の方から、「ニャン」という鳴き声がしました。
「また、猫がはいってきたか? 鰹節狙ってるんだろう。」
馬場君が立ち上がって、廊下を覗きました。
「ありゃ、いない。今、ないたよなぁ、、」
馬場君が首をかしげながらもどり、また元の雑談になりました。そしてその後、猫の気配はぱったりと途絶えました。

ところが、この猫供養が、本体をつついたようです、、、。

さて、3人でキッチンへ、、、。
6畳の広さがあるダイニングキッチンでしたが、だれもそこで食事を取らないため、テーブルなどの家具もなく、広々としていました。
まずは写真撮影、、、
「ん?、なんだぁ、あれは、、。」
柱の上部に、貼っていた紙を剥がしたあとがある、、。
きちんとはがさず、びりびりになって、中央部が残った状態です。
黄ばんでいて、古そう。しかも、そこだけでなく、部屋の四方に同じものがある、、、。
御札で何かを封じた、、、しかし破れた、、、。
最も剥がれていないものに近寄って、見てみると、真ん中が妙に黒い、、、 絵?、、、黒犬。御嶽山か、、?
「足がちくちくする、、、いるな、、。」
私は、茅野君へ向かって、
「何か感じない?」
「何か、足がひりひりするよ。」
「そう、、俺と同じだね。どの辺がひどい?」
「この流しの前のあたりかな。 」
「そうだろう、、、。」
またしても意見が一致。
それまで黙していた弟の大輔が口を開きました。
「すごい、、、殺気がある。
目を閉じると、今にも誰かが斬りかかって来そうな気配があるよ。
それに、昔痛めた腰が痛くなった。弱いところをつついて来るみたい。
この感じ、、、修学旅行で関ケ原へ行った時以来だな。
普通は、俺、こういうの平気なんだけど、、ここは別だよ。
何がいるんだぃ? 」
「ここで、「見る」と危ないな。帰ってからな」

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