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おじゃま道草

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私は、
「これは、猫のようなわけには行かないな。無理だな。」
と思い、馬場君に転居を勧めることにしました。そして、私がもう2、3枚写真を撮ろうとすると、茅野君が、
「何か気持ちが悪くなりそうだから、向こうで御茶飲んでるね。」
と言って台所をでました。
「俺もそうするよ。」
大輔も同じことを言いだしたので、私も出ることにしました。

練習室へ戻ると、馬場君が横になって寝ていました。
「明け方までかかってバンドスコアを書いたって言ってたからね。
でも、何か安眠してるようではないみたいね。」
船井さんがタオルケットを馬場君にかけながらつぶやきました。

しばらくすると、うつ伏せの馬場君がうなされ始めました。なにやら、寝言で、うん、うんといっています。
「あれ?」
よーーく、馬場君の方を見ると、、、何か、気配があります。彼の上に、影の様なモノがのっているようです。
私は茅野君に、
「どう思う?」
と意見を求めました。
「これ、金縛りじゃぁないの?」
押さえ付けられてんのかな?
茅野君の直感は、当てになります。私は、確信しました。
「馬場君は、意思が強く、行動力もあり、覚醒時は強い、したがって、疲れてうとうとしている様な弱い時につけこんで憑依してくるんだ。」

船井さんが、
「起こそうか、、、」
と、馬場君の肩をゆすりました。
でも、起きません。相変わらずです。
「あっ、ちょっと待って、もし、意識が飛んでいたらマズイ。
帰還に失敗するかも、、無理に起こさないで。」
私は、強く揺すろうとした船井さんを制しました。
その時、茅野君が、、、
「あれぇ、、、何か動いたよ。馬場君の背中の上、、、」
と言い出しました。
そして馬場君の背中の上、30cmほどのところに、手をもって行こうとして、、、
「おーーーっ。」
彼は、あわてて手を引っ込めました。
「ああ、ぞっとした、、、ちょっと、やってみなよ。」
私にも促します。
なんと茅野君にも見えたのです。
「やばいな。俺たちも影響をうけてるな、、。」
私は、そう思いながらも、彼に倣いました。
そおーっと手を出す。
動いている影の輪郭を抜け、突っ込む、、、、。
ひんやりとしています。冷蔵庫に手を入れたときのようです。
それでもヤツは動こうとしません。
そおーっと手をひっこめる。
冷たさは消えます。ヤツはうごきません。
「ねっ、冷たいだろ?」
と茅野君が同意を求めてきました。
「隙間風なんか通ってないよね、、やっぱり居るんだね。」
彼は、いつになく真顔です。私は、乗っているヤツが、いまだ退こうとしないので、除霊九字を切りました。
そしてそれが効いたのか、ヤツの気配は消えました。いや、一時的に退いただけですが、、、、。
切った後、馬場君を揺すると、彼はすぐに目を覚ましました。

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