厳選怖い話
晴美の末路

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836 第一夜 2006/05/10(水) 13:23:57 ID:0zfG5UVO0

へへへ、おはようございます。流石に皆さん怖い話をしなさる。今日は生憎天気が悪いようで。
あの時も丁度今日みたいな雨空だったな。あ、いえね、こっちの話でして。え?聞きたい?

そんな事誰も言ってない?はぁはぁ、すみませんね、私も毎日苦しくて。正直この話を誰かに打ち明けないと気が狂いそうでして。それでは、早速暇つぶしにでもお読み下さい…へへへ。
もう10年ほど前になりますかね。当時、私はとある地方の寂れたスナックで働いてましてね。
そこで、店の女の子の1人と良い仲になっちまったんですよ。ま、良くある話です。へへへ。

アパートに同棲してまして。スナックのママも他の従業員もみな承知の上でしてね。
まぁそこそこ気楽に楽しく暮らしてましたわ。しかし、この、仮に晴美としましょうか。
晴美はかなりのギャンブル狂でして。パチンコ・競馬・競艇・競輪・ポーカー・マージャン、なんでもござれでして。これが勝ちゃ良いんですが、弱いんですよ。賭け事にも才能ってありますよね。

案の定、借金まみれになっちまった。それでも何とか、働きながら返してたんですよ。
え?私はどうかって?私はあなた、ギャンブルなんてやりませんよ。そんな勝つか負けるか分からないのに大金賭けられますかいな。以外に堅実派なんですよ。へへへ。…話を戻しましょうか。

同棲しだして、2年ほど経った頃でしたかね。とうとう、にっちもさっちも行かなくなっちまった。
切羽詰まった晴美は、借りちゃいけない所から金借りちゃったんですよ。まぁヤクザもんですよね。
ある夜、アパートに2人でいる時に、男が2人やって来ましてね。見るからにそれモンですよ。
後は大概、お分かりですよね?TVや映画で良くある展開と同じですよ。笑っちまうくらい同じです。
金が返せないのなら、風俗に沈める、の脅し文句ですよ。それでも晴美は1週間、1ヶ月待って下さい、と先延ばししながら働いてましたよ。え?私?私は何も出きゃしませんよ。
ヤクザもんですよ?とばっちりは御免です。え?同棲しておいてそれはないだろうって?
はぁはぁ、ごもっとも。でもね、皆さんもいざ私のような環境に置かれると分かりますって。

837 第二夜 2006/05/10(水) 13:25:14 ID:0zfG5UVO0

ある夜、いつもの様にアパートに取立てがやって来ましてね。所がちょっと様子が違うんですよ。
幹部って言うんですか?お偉いさん来ちゃいまして。一通り晴美と話した後、つかつか~と私の方にやって来まして、お前があいつの男か?と聞くんですよ。

ここで違う、とは言えませんわね。認めると、お前にあいつの借金の肩代わりが 出来るのか?と聞くんですよ。出来るわけないですよ。その頃には借金1千万近くに膨れ上がってましたからね。当然無理だと言いましたよ。そしたらその男が、あぁ、今思えば北村一輝に似た中々の良い男でしたね。あ、へへへ、すみません。

話を戻しましょうか。その男が、ならあの女は俺らがもらう。ってんですよ。
仕方が無いな、ともう諦めの境地でしたよ。私に害が及ばないのであれば、
どうぞご自由に、と。え?鬼?悪魔?鬼畜?はぁはぁ、ごもっとも。でもね、水商売なんて心を殺さないとやってけないんですよ。晴美に惚れてたならまだしも、正直体にしか興味ありませんでしたからね。え?やっぱり鬼畜?はぁはぁ、結構です。
それでもって、男が妙な事を言い出したんですよ。あの女の事を今後一切忘れ、他言しない事を誓うならば、これを受け取れ。と言うと、私に膨れた茶封筒を差し出したんですよ。丁度百万入ってましたよ。でもね、嫌じゃないですか。

ヤクザから金もらうなんて。下手したら後で、あの時の百万利子つけて返してもらおうか、何て言われちゃたまりませんからね。断りましたよ。そしたら、その幹部の連れのチンピラが、ポラロイドカメラでもって私を撮ったんですよ。

そしてその幹部が、この金を受け取らなかったら殺す、って言うんですよ。
何で私がこんな目に、と思いましたよね。渋々受け取りましたよ。そして、
もし今後今日の事を他言する様な事があれば、お前が世界のどこにいても
探し出して殺す、と。その時、私は漠然とですが、晴美は風俗に沈められるのでは無く、他の事に使われるんだな、と思ったんですよ。もっと惨い事に。

838 第三夜 2006/05/10(水) 13:26:40 ID:0zfG5UVO0

晴美はある程度の衣服やその他諸々を旅行鞄に詰め込み、そのまま連れて行かれました。
別れ際も、私の方なんて見ずにつつ~と出て行きましたね。結構気丈な女なんですよ。
1人残されたアパートで、私はしばらくボーッとしてました。明日にでもスナック辞めてどこかへ引っ越そうと思いましたね。嫌ですよ。ヤクザに知られてるアパートなんて。

ふと、晴美が使っていた鏡台に目がいったんですよ。リボンのついた箱が置いてあるんです。
空けて見ると、以前から私の欲しがってた時計でした。あぁ、そういえば明日は私の誕生日だ。
こんな私でも涙がつーっと出てきましてね。その時初めて、晴美に惚れてたんだな、と気がつきました。え?それでヤクザの事務所に晴美を取り返しに行ったかって?
はぁはぁはぁ、映画じゃないんですから。これは現実の、しょぼくれた男のお話ですよ。

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