洒落怖
鳥居をくぐる

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88 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:35:06 ID:YBwbxyGPO
これからするお話しは今から20年以上前、僕が中学生の時の話しです。
当時僕は悪い先輩達と付き合いがあり、暴走やタバコ、シンナー等不良っぽい事をして意気がる田舎ヤンキーでした。

その日は学校をさぼり、町外れにある無人の神社に二人の先輩(アキさん、コウさん)とタムロってました。バイク談義も一段落してそろそろたまり場に帰る雰囲気になっていたのですが、アキさんが
「この神社の裏山に遺跡みたいなのがあるらしいから行ってみよう」と言い出したのです。見ると確かに裏山の奥へ続く石段がありました。
僕は基本的に先輩に付いて行くタイプだったので「いっすよ」てな感じでしたがコウさんは純トルでだいぶラリっており
「だりーお前ら行って来ていいよ。俺はここで待ってるから」と言って待つことに。僕も実は面倒くさいと思ってましたがアキさんに付いて石段を登り始めました。

その裏山は多分高さ20~30m位で夏ではありましたが石段をトンネルの様に木が覆い、涼しさすら感じます。
緩やかな石段を登りつつ世間話しながら5分程行きました。するとまだ上がありそうなのに草木が石段を隠し始め、かなり長い間人が立ち入っていない様相を呈し始めたのです。

89 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:39:21 ID:YBwbxyGPO

「…アキさん、遺跡とかないっすね」
「でもまだかなり上まで続いてそうだなこの階段。ひょっとして頂上まで行くんちゃうか? 展望台みたいのがあったりして!最後まで行ってみようぜ」

……アキさんにこんな趣味があったとは…意外に思いながら更に登ります。草は既に腰の高さまで伸び一歩づつ踏み倒しながらでないと進めません。
つづら折れを曲がったところで異様な物が目に入りました。

ほとんど草に隠れていましたが鉄柵が道を塞いでいるのです。赤錆て今にも朽ち果てそうなその鉄柵には”立入禁止”のプレートが架けられていました。やはりかなりの時間の経過を感じさせる程錆に侵食されながら…

91 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:42:51 ID:YBwbxyGPO

立入禁止と言われたならもう僕等としては立ち入らない訳にいきません。
「この先には何かびっくりするような面白いモノがあるに決まってる!」
アキさんと僕は少し興奮しながら崩れ落ちそうな鉄柵を乗り越え頂上を目指しました。

………今思えばここで引き返していればあんな忌まわしい出来事に会わなくて済んだのでしょうが、
あの時の僕らは何か得体の知れない力によって死の淵へと導かれているようでした…

神社前の通りから山を見るのと実際登るのとは大違いで、小高い丘ぐらいに思ってたのがこんなに深い森だったとは…
鉄柵から更に15分登り、ようやく頂上付近と思われる場所まで来ました。だいぶ前から石段は途切れ広い獣道みたいな坂に変わっています。
半径30m程の開けたその場所は木々に陽光が遮られ薄暗く、下界からの音すら聞こえない薄ら寒いような雰囲気をたたえ僕等を迎え入れました。
しかしそんな事より誰の目から見ても明らかに異様な物が有りました。それは僕等が期待していた廃墟などではなく…

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