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92 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:45:13 ID:YBwbxyGPO
その場所の中央ど真ん中に鳥居が立っていたのです。普通サイズよりかなり小さな高さ2m位。そして何故か真っ黒に塗られた…
草むらの中にぽつんと立つ鳥居は実に気味悪く、見てはいけないものを見てしまったような、そしてここに居てはいけないような気分にさせられました。
「おい…なんか不気味なとこに来ちまったな」
「なんか保護文化財みたいなやつじゃないですかね?だから立入禁止とか」
「夜とかシャレならんなここ」
僕等はさっきまでの興奮など忘れ急に馬鹿馬鹿しくなって山を下りる事にしたのです。
僕が先に立って下りはじめました。いや、そのはずだったのです。しかし下りはじめてすぐアキさんが居ない事に気が付きました。「あれ?アキさん?」
振り返ると先輩は何故か例の鳥居に向かってガサガサと歩いて行くではないですか!不思議に思いながらも見ていると、鳥居の下をくぐり抜けその先の森へ…
「アキさん!どこ行くんすか!?」
93 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:47:54 ID:YBwbxyGPO
聞こえていないのかそのまま森へ入って行きます。その時僕の耳元で
「オイ、オマエモ…」
と男の声がはっきり聞こえたのです。
次の瞬間、アキさんが消えるのを見ました。崩れ落ちる様に消えたのです。
(消えた…?まさかコケたんやろ…でも今の声何や?)
その場の異様な空気もあり悪夢でも見ているようでした。先輩を助けにとは思いましたがあの鳥居がどす黒い怨念を放っている気がして近付く気になれません。足が勝手に逆方向へと進んで行きました。
その時「オ~イ!〇〇~!」と僕を呼ぶ声が聞こえました。
(コウさんだ!迎えに来てくれた!)
夢中で声のする方へ一歩踏み出した瞬間、僕はアキさんに何が起こったか理解しました。
踏み出した先は高さ10mの崖でした。
94 本当にあった怖い名無し 2009/08/25(火) 02:50:33 ID:YBwbxyGPO
目が覚めると病院の一室でした。
僕は手首の骨を折り脳震盪で気絶していたそうです。アキさんは腰と大腿骨を折り重傷でした。
アキさんが言うには「確かにお前の後ろ歩いて行ったのに途中でフッと消えた」との事。
コウさんいわく「お前らが遅いから心配になって見に行ったらお前が下りて来るのが見えた。声を掛けたらいきなり崖から飛び降りて気ィ狂ったかと思ったわ」との事。
警察にも色々聞かれましたwそしてあの場所は…
150年前の刑場だったみたいです。以前は首斬り坂と呼ばれるいわくつきの場所でした。神社もそれの関係で建立されたものだとか。そんな場所で騒いで霊を怒らせてしまったのでしょうか。
…でも一番不思議なのがあの鳥居の事です。あの後そこには近付いていないのですが、山頂に鳥居など存在しないらしいです。