洒落怖
無人の寺

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…うそである。
一瞬で汗がひくくらい寒気を感じた。
だが、せっかく来たのだからお参りくらいはしておこうと思い、本堂に歩を進めた。
本堂は扉に鎖と南京錠で鍵がされている。障子紙やガラス張りということもなく、中を見ようと思えば見れる。
しかし、真っ暗。見ようと思っても見れるものもない。
「観音様」くらい見たかったが、錠もかけられている以上やむなしと思って賽銭箱に銭を投げ込んで、
ごあいさつ。その時…

「たぁ~~~~~~~~」

という声がした。女の子か小さな男の子のような声。お堂の中から。
すでに鳥肌が立った段階で何かがいるのはわかっていた。
しかし、実際に音として表れたのはビビった。心臓が止まるかと思った。ヌコたんかと思ったが、
特にそれ以降音がしない。

ビビった俺は、大慌てで次の寺へと移動。
あらゆる危険を想定して、原付を運転していた。
…スピードの出が悪い、上り坂ではエンスト(スクーターなのに!!)、
なぜかハンドルがとられるという現象が頻発。ただ、古いものなので、
「ガタが来たのか」くらいにしか思ってなかった。

614 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 12:03:12.53 ID:lfhVWCTd0.net
そんなこんなで、次の寺に到着。こぎれいで立派な寺だった。
常時人がいるような寺だったようで、そこで住職とお会いした。すれ違いざまに、こちらがあいさつすると、
「あなた○○寺行ってきたでしょ!!!!」とすごい剣幕で聞いてくる。
私が「そうです」と答えると、住職は「何かなかったか」と聞いてくる。
子供のような声が聞こえたことを言うと、私に本堂に上がるように言ってきた。

こういうときは大人しく言うことを聞いた方がいいと思い、それに従った。

そこから3時間くらい正座させられ、お経を聞き、原付には「一応」といわれ、札を貼られた。
何か悪い商売に引っかかったのかと思ったが、
住職は「金は要らない。何か悪いことがあったら、次は××寺に行け」と言われた。
詳しいことは聞かなかったが、
1、大昔に亡くなった人を連れてきている
2、別に悪いものではないが、友達がほしいらしい。
3、俺に友達ができると、やきもちを焼いて悪戯はするらしい。
4、今回は俺はまだあの世にいかないので、あっちで待ってろといって成仏させた。
だそうだ。

615 :600番の続き@\(^o^)/:2014/08/07(木) 12:05:33.77 ID:lfhVWCTd0.net
で、俺は安心して家に帰ったんだ。
怖かったな~と思って、今日回った寺の写真をフェイスブックに掲載しようとおもって、
写真を見ていたらあの寺の本堂の中に、
肉眼では真っ暗で見えなかったのに、
中に、一人だと思ったら二人。
一人は確かに子供だった。もう一人はその親と思われ。
俺についていこうとする子供を必死に抑え込もうとして、俺の方を睨んでいた。
マッマは付いてきていないと思うし、住職も何も言ってなかったから大丈夫だと思いたい。
でも、子供だけ成仏してしまったのなら、それを母親は許せるんだろうか。
俺、逆恨みされるんじゃねーか?と夜窓の方でカサカサ音がすることにおびえている今日この頃。

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