洒落怖
Sデパート

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222 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/17(土) 00:42
 膝を突いて通路の床をしばらくじっと見ていると、不意に腰につけた無線の
呼び出しがかかりました。
「場所○○○発報!」管理室からでした。感知器が反応しているという事です。
 条件反射で無線を手にとり、「発報了解。」とうわずって答えたそうです。
そのお陰かどうか、その人はそのやり取りで、気持ちを落ち着ける事ができ、
何とか立ち上がる事ができました。場所は、先輩の友人のいる場所の側、
 そう、女子トイレ前の感知器です。
 もう、マネキンの視線を感じる事はありませんでしたが、目を向ける事が
できなかったそうです。
 2mほど先にある警報機の解除ボックスの所まで行き、本来なら異常を確認しないと
いけないのですが、そのまま<解除→再設定>としたそうです。
 「発報○○○異常なし」管理室に連絡を入れ、その人は、そのまま足早に立ち去ろうと
しました。しかし、一瞬視界の中にはいった店舗の異変を遮る事ができず、
辺りにあるマネキンの首だけが、ぐっぐぐと、女子便所の方に回りだしたのが
視界に入ってしまったそうです。しかも、首の動きとは逆に、瞳だけはその人の方を
睨むように動いています。
 「場所○○○再発報!」腰の無線が怒鳴っていいますが、動く事が
できなかったそうです。

223 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/17(土) 00:44
 そんな状態が数十分続いたので、管理室では先輩と何人かが借り出され、
様子を見てくることになったそうです。
 駆けつけてみると、その人は固まったまま立ち尽くしていて、
暗闇でも分る程汗をかき、紺色の制服はじっとりと濡れていました。
 先輩はとりあえず警報機を再設定して友人に手を貸して待機所に戻ったそうです。

 先輩は、しばらくして落ち着いた友人から話を聞いたそうです。
 その当時、婦人服売り場のマネキンは、瞳の部分をガラスがはめ込まれた
物を使っていました。普通は、ブラシで描かれているのですが、リース料金も
変わらず、チョット豪華に見えるので店内の総てのマネキンをガラス目にしていました。
 そのガラスの瞳は、ライトを当てると、視線を向けたかのように見えるので
その見間違いだろう、と友人を慰めたそうです。

 警報機の発報は、セットしても10分ほどで又再発報するので、故障だろうと
いう事になり、後日取り替えるまで、解除したままで、その日は終わったようです。

224 名前:あなたのうしろに名無しさんが・・・ 投稿日:2001/02/17(土) 00:46
 先輩の友人は、何日か休みを取り、気持ちを落ち着かせて再度あの
婦人服フロアの夜警に挑んだそうです。きっと、そうしない事には決着が
着かなかったのでしょう。休みの間、他の人が巡回しても、特に怪現象は
なかったそうです。
 警報機は、それまでに何度も新品に取り替えたのですが、夜中になると
無闇に発報を繰り返すため、原因不明のまま、デコイ、つまり殺したままに
なっていました。

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