洒落怖
秋のある日

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543 本当にあった怖い名無し 秋のある日11sage New! 2007/11/12(月) 00:06:10 ID:lnbUaAoAO
八時間強あの洞窟に居たことになる。でも自身の体感では長くて一時間くらいだ。なんとも言えない気分だった。
車を走らせて一時間、落ち着いてきたらお腹が空いたのを感じて、『やっぱり九時間近くあそこに居たんだな』っと実感した。昨日買っておいたツマミを探す。
アッシーにどこに置いたか聞いたら「昨日食べちゃった」と申し訳無さそうに答えてくれた。彼の一言で『日常に帰ってきた。』と心底思った。
帰り道にコンビニがあったので食物と飲み物を買った。車の中で食事してるとアッシーが「頭あったよね・・・人の」思わぬ話題を振られて僕は「・・・うん」とだけ答えた。
「あの生首さ、テレビの時代劇とかで武士が切腹して介錯してもらった後に凄いそっくりだった。あの髪の感じとか。」
その話を聞いて違和感の正体がわかった。少し前に借りたビデオ、[なんたら怪奇ファイル]の首無しライダーの回で、首だけのシーンを見ていた。
今回偶然にも見てしまった生首とは違いがあった。髪型だ。人によって髪型なんて多種多様だけど、その生首は頭頂部を剃っていて、後頭部から首にかけて髪が垂れ下がってた。
つまり時代が違った。現在にあるべきモノではない。いや、あるはずなかった。異常な事態。でも、考えるのはやめた。
何故そんなモノが存在していたかなんてわからない。調べに行こうとも思わない。知らないままでいいと思った。
ただ、その秋に人が触れるべきでない領域がこの世界にあることを知った。

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