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3 : 本当にあった怖い名無し : 2012/05/17(木) 05:56:26.97 ID:1yOVg1d00
>>1乙
全スレ976です。書きためていたら朝になってしまった。すまない。
かなり長くなるし、レベルが低いからぶつ切りになりそうだ。長文が苦手な人はスルーしてくれ。
昨年の初夏、俺は故あって寺で1ヶ月弱修行をしていたんだ。
うーん、思ったより字数書けないな。
続き↓
いわゆる「寺生まれ」は、若い時に家の宗旨の御本山に修行に入り、「箔をつけて」帰ってくること
なんかがよくあるが、俺は全くの一般家庭出身。しかも零感。
俺自身、直前まで寺で修行をすることになるとは夢にも思っていなかった。
長くなるから詳しい理由は端折るが、日頃から信心深い上司に「人生の役に立つから経験してこい!」と送り込まれてしまったんだ。
正直断ると出世にも響きそうだし、渋々了解。そんなこんなで俺の寺生活は始まった。
その寺では初夏に参籠行(寺に籠もることな)と、山での修行が行われていて、半分縁故で入れて貰った
俺みたいな素人以外は、各地の寺からプロの坊さん達が集まっていた。
「坊主や神主は特別な力を持っている」
オカ板ではよくあるシナリオだが、実際寺に入ってみると何のことはない。
彼らも普通の人間だ。「般若湯」といって酒も飲むし、酔えば女の話だってする。
顔を合わせると下ネタばかりのしょうもないじいさんもいた。
俺もここに顔を出すくらいなので、小さい頃から坊さんの活躍する話は好きだったんだが、
「現実はまぁ、こんなもんだよね」
というのが当初の感想だった。
肝心の修行の内容だが、早起きして勤行。
山を歩いて、石仏などの前で勤行。帰ってきて勤行。
といった調子で、毎日沢山歩いてお経を唱えまくる、というもの。
山を歩いてお経を唱えまくる「大変充実した」日々に、日頃不摂生をしている俺の体はすぐに悲鳴を上げた。
足には簡単にマメができるし、筋肉痛も酷い。始めの数日は修行に来たことを本当に後悔したよ。それでも人間は意外と慣れるもので、辛い生活にも段々と慣れ、そのうちに単調な生活に退屈さすら感じるようになったんだ。
そんなある日の修行中。
山の中で俺は急に怒鳴られたんだ。
「俺君、足下に注意せんか!!」
驚いて顔を上げると、大声を出したのは例の下ネタじいさん。
退屈だな~とは思っていたが、怒鳴られる程ボーッとしているつもりも無かった俺は、
一瞬きょとんとしてしまった。
「へ?」
声は出ていなかったように思うが多分そんな顔をしていたと思う。
その瞬間、俺の持っていた修行用の杖が折れたんだよ。急に。
普通折れるわけがないんだ、その杖。ある程度太いし俺のは新しいし。
バランスを崩した俺は転倒寸前に。
ぎりぎりで踏みとどまったが、もう少しで山道を転げ落ちる所だった。
何がなんだか解らない俺は、「スイマセン!スイマセン!」と取り敢えず周りにぺこぺこ。
じいさんの方を向くと、「修行中は色んなことがあるからな。気を抜くな」とのこと。
色々と聞きたい俺を尻目にじいさんは再び歩き始めてしまった。