洒落怖

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これは半端じゃないって思い、
とりあえず墓の方向に向かって経をあげて様子を見たが、
どうにもならない感じなのである程度の道筋を聞いて当代を帰したそうだ。

当代に活を入れて返した後、暫く進むと何かにすれ違った。

曾爺ちゃんには姿は見えなかったが、多分彼女らの誰かだろう。

その気配は当代を追うわけでもなく、また、自分を追う様にも感じなかったので、
気を落ち着けながら先へ進むことにした。

山の斜面を這うように進む山道を歩いていくと開けた場所があり、
斜面にそって卒塔婆や墓石が並んでいるのでここがその墓地だろうと感じて中に入っていくと、
多くの盛り土の墓の内にこの墓がそうと判るくらいの存在感がある墓が3つあったらしい。

曾爺ちゃんはそこで経をあげて供養を試みたが、
ずっと空気が重く、どっからか視線をずっと感じる。

「無理だな~業が深い」と思って屋敷まで引き上げたる事にした。

922 916 sage 2008/11/12(水) 10:32:56 ID:VFmdt4PO0
屋敷まで戻った曾爺ちゃんは、
当代に供養試みたがこのままでは祟りは収まらないことを言った。

そして、
「あなた方は業が深いので言えないことも多いと思う。
三人を死なせたのにも関わっているだろう。
しかし、祟りが無かったものが何故祟る様になったのか何でも話せる事があれば言いなさい」
と言ってみたそうだ。

当代も言い辛かっただろうが、話した内容はこうだった。

父にあたる先代は乱暴で狡猾な人物だったそうで、若い頃から問題ばかり起こしていたそうだ。

それでも先々代が存命の内はまだマシな方で、先々代が亡くなると素行に歯止めが効かなくなった。

多くの村人を巧妙に利害で巻き込みながら悪事を繰り返し、
村では誰も逆らうことが出来なくなってしまったそうだ。

祟っている3名の死にも先代は関わっているらしい。

それから先代は三年前に実の妹に殺害された。

多分これが最初の祟りじゃないかとのこと。

そして、祟りで死ぬ前にあの3名の女性と関わりのある男に罪を着せて殺している。

もちろん私刑だ。

それ以来、村では身内や血縁者を殺してしまう事件が時々起こるようになった。

923 916 sage 2008/11/12(水) 10:34:46 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんはこの話を聞いて、
その殺された男をまず供養しないとこの祟りは収まらないと思ったらしく墓の場所を訪ねた。

当代の答えは、「墓はない、埋めただけになっている」と話、
埋めた場所に次の日に行くことになった。

曾爺ちゃんは、その晩は屋敷には泊まらなかった。

明日の事を考えたらここで気力を消耗したくないって気持ちになったらしい。

次の日、当代と村の男数名に案内されてその男の埋まっている場所に出かけると、
そこは村はずれの藪の中だった。

ジメジメと腐った枯れ草が覆い被さり、
枯れ草の隙間から育ちが悪い感じの雑草が生えている高さの余りない盛り土があり、
近くには申し訳程度の供え物が朽ちていた。

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