この怖い話は約 3 分で読めます。
その人の家は街から外れて幾つか山を越えた山間の村で、
村に近づくにつれて嫌な感じが強くなってきたので、
「これは村ごと祟られているな、女一人を供養して済むのかね?」って思ったらしい。
村に入ると出会う人がどいつもこいつも祟りの影響を受けている。
流石に曾爺ちゃんも村ぐるみの事件っぽい臭いがしてきて嫌になってきたが、
こんな辺鄙な場所から逃げ出すのも大変だと思い、
一応その人の家で詳しい事情を聞いてみることにした。
その人の家は結構大きかったらしく屋敷って感じで、
曾爺ちゃんの村の纏め役っぽいって予想は当たっていたらしい。
庄屋の家系の当代ってところ。
屋敷は門に入る前から恨まれている感じが臭いまくっており、
かなり業の深いことをしてしまった家系だと思いながら家に入ったそうだ。
920 916 sage 2008/11/12(水) 10:30:54 ID:VFmdt4PO0
部屋に案内されて、改めて話を聞くと供養して欲しい女性は3名。
曾爺ちゃんは屋敷の人間がその3名の死因に関わっていると思ったので、
その辺は深くは聞かずに村に何か起こっているのか聞いてみた。
どうやら村では殺人が連続して起こっているらしい。
しかも、事件や犯人を警察に届けていなくて、
犯人は土蔵に閉じこめたり納屋に縛ってあったり、
死因も事故死・病死って事にして医者に見せずに土葬にするなどかなりヤバイ感じの処置をしていた。
現代なら(多分当時でも)死体遺棄&不法逮捕監禁で引っ張られるようなやり方をするからには、
村人を外に出したくない理由があると思えること。
曾爺ちゃんは突っ込み所が多すぎるのをグッと我慢(自分の身の為)して、
まずは犯人の一人会って見ることにした。
多分この屋敷にも居るのだろうが、
当代に案内されたのは屋敷から少し離れた農家の納屋だった。
納屋の中はジメっとして糞尿の臭いが酷く、
中には怯えた感じで縮こまっている女性が一人柱に縛られていて、
曾爺ちゃんは憑かれていたなって思ったらしい。
曾爺ちゃんはこの女性はもう危険じゃないことを教え、
暫く安静にしていたら今より良くは成るだろうって言いはしたが、
殺したのは多分旦那か子供だなと感じて可愛そうに思ったそうだ。
この人への祟りはもう終わっているが、多分完全に治ることは無いだろうって思えたらしい。
921 916 sage 2008/11/12(水) 10:31:55 ID:VFmdt4PO0
曾爺ちゃんは「供養はするが、あなた方は供養でどうにかなると思っているのかね?」って話したらしいが、
他に当たっても祟りがあってからは供養さえ怖がってしてくれないからお鉢が回ってきたらしく、
どうしても供養はして欲しいって事で曾爺ちゃんは供養することにした。
お墓の位置は村外れの山道を進んで行った山にあるらしく、
昔はそこに寺が有ったが、廃寺となった後はそのまま村の墓地として利用しているとのこと。
案内されてそこに近づくにつれて悪寒がしてくるし、
案内していた当代はどんどん顔色が悪くなってくる。